【嬢への転落、後悔……】
出産後、寸刻を経ずして夫と離婚、同時に親権まで失うという普通ではあり得ない経緯(母親が乳児の親権を失う理由はかなり限定的です……どうかお察し下さい)で自暴自棄になっていたころ、私の身を案じてくれた現役デリ嬢の友人に誘われて今に至ります。
出産前後からどうにもならないほどお乳が良く出ていた状況での離婚、産後の肥立ちが順調とは言えない身体でありながら、お乳を与える赤ちゃんとも別離したことで胸の処置に困却していたところ、見かねた友人が一臂の力をかしてくれました。「風俗の仕事だから決してお勧めはしないけど、胸が大きくて母乳が出るというだけで実入りのいい仕事が世の中にはあるのよ」と。
もちろんそれまで何度も何度も断乳を試みましたが、溜まりすぎるお乳のせいで度々乳腺炎が惹起し、そのたびに高熱を発症して日常の生活にすら支障をきたすような状態でした。
産院でお世話になった母乳外来の先生にご相談すると「体質的に考えて、いきなり断乳せずに圧抜きしながら徐々に枯れていくのを待ちましょう」というご教示をいただきました。
一般的には赤ちゃんが乳首を吸わなくなると自然に断乳できると言われていますが、私の場合はそうではありませんでした。適度に圧抜きという若干の搾乳をしてもすぐに乳房がパンパンに張るということの繰り返しで、母乳量が全く衰えず断乳できる兆候すら見えてこなかったのです。
ただでさえ金銭的に苦しい状況にありながら、体調面でまともな仕事に就くことができない行き詰まった状態でした。そこにデリの話がきたのですが、もちろん風俗の仕事など経験もないし自身が忌み嫌う不潔な職業と思い込んでおりましたので、当初はたいへんな抵抗感と葛藤がありました。
しかしながら弟夫婦が住む実家には戻ることもできず、生活に窮するようになると、次第にこの身一つ生きていくだけなら仕事の貴賤などどうでも良いことではないかと思い始めるようになるのです。
そして授乳する赤ちゃんもいないことから倫理観も薄れ、断乳しなくていい、乳腺炎の恐怖からも解放されるという実に短絡的な思考が巡り、肺肝を砕くことなくこの世界に身を投じてしまいました。
事情を鑑みて当時としてはやむを得なかったと言ってしまえば気休めにもなるのでしょうが、それは自分の安直な考えを正当化した言い訳に過ぎないでしょう。それでも私は生きる欲に駆られたのです。
身投げするように自分の全く知らない淫靡な世界に足を踏み入れた私ですが、当初は慣れない行為の強要に泣いてばかりの日々でした。
結婚前までの私は性行為にはもっぱら疎い女だったのですが、別れた夫がかなりの好色家であったこともあり、要求される性行為に対しては戸惑うことはあっても拒むことはせず、夫婦とはこういうものだと受け入れてきたつもりでした。
ですが、デリの仕事とは当然のことながら夫婦の営みとは全く異なり、初対面の殿方にいきなり未知の変態行為を強いられるということで、世間知らずな私は何をどうして良いのかわからず、殿方からきついお叱りを受けることも少なくありませんでした。
当初は友人のいる巨乳デリの方に籍を置いておりましたので、母乳が出ることをご存じない殿方からは「気持ち悪い汁出すなよ!」とか「乳出すなんて興醒めするだろ!」とお怒りになられることもしばしばで、ぎこちない性技も合わさってお店にはクレームが頻繁に入りました。
お店や友人の勧めで母乳デリに移籍すると、ニッチな分野なのか、いただけるお金も上がったのは良いのですが、当然のことながら今度は私のお乳お目当ての殿方ばかりのご指名をいただくことになりました。
ご満足いただくために少しでも母乳量を増やそうと痛みを堪えてパンパンに張らせた乳房を「そんなこと知ったことか、早く乳を出せ!」と言わんばかりに握り潰すように揉まれると気絶しそうなくらいの激痛が走ります。興奮された殿方には、母乳で張り詰めた敏感な乳房のあつかいを考慮していただく余地がございません。
120分のコースで片時も乳首を咥えて放さずお乳を吸い続け左右交互に乳房をこね回される殿方や、乳房をロープで縛って圧迫させ乳首から噴水のように放出される射乳を楽しまれる殿方、ひたすら乳房を激しく平手打ちして跳ね回る乳首から母乳が飛び散るのが好きな殿方もいらっしゃいます。
一日の仕事が終わり自宅のお風呂の中で、酷使されてはれ上がった乳首や乳輪を見ると絶望感と情けなさで涙がとまりませんでした。