それでも毎日のように一緒に帰る間柄、彼女が休みの時に、同僚の年配の女性スタッフの方からは、「いつも一緒に帰ってるの?付き合ってるのかな?っていつも思うから邪魔しないようにしてるの」と言われるような間柄になっていました。実際、駅のホームでその年配の女性スタッフさんを見かけると手を振ってもコチラへ来てくれなかったのは僕等がカップルに見えたからだそうです。
ところが、僕等はまだ連絡先すら交換していませんでした。「お腹空いた」と言うので、御飯を1度だけ駅ナカのお店で御馳走しただけでした。
あとは、職場から最寄り駅までの道がコンクリートだらけなため、「日差しキツイからサングラス欲しいです。」という彼女の言葉を聞き、駅チカのショッピングモールで1000円くらいのサングラスが陳列している所を通って、「ちょっとサングラスかけてみなよ」と言って、お互いに色々かけて鏡や相手を見て、「似合ってますか?」と言い合う高校生以下のような甘酸っぱいデート?のようなもの。
それでも、その安物のサングラスを買ってあげると、「良いんですか?嬉しいです。」と満面の笑み。翌日からも毎日かけて来てくれ、「ハリウッドスター意識してますから」とか言って得意ぶる彼女。確かに少し雰囲気が変わるので、帰りの電車を待つホームで同僚の人を見かけると、「○○さんに『新しい彼女が出来ました』って話に行ったら分からないんじゃない?」って言って、本当に実行に移して、「新しい彼女です」と2人で同僚の片にふざけて挨拶したりしながら・・・しかも、サングラスを外すと、その若い肌と若くて張りのあるであろうと想像できる胸元にサングラスをかけてくれるんです。僕の過去の恋愛話を聞いてくる日もあるし・・・そういう少しの優越感に浸る日もありました。
毎日のように露出度の高い服装を、他の女性スタッフと帰った時には「同じ仕事している人に見えないわ。ほぼ裸やもんな?」とか言いながら、靴下すら履かない完全100%生足を毎日見る事ができ、胸の谷間まで見える時もある。ある日は「足のここ青くなってるんです。血も出ちゃってて・・・」の言葉に、「彼氏に舐めてもらえば」との言葉を返しながら、「え?」と空気を凍らせる発言をしながら、次の瞬間に「はい」と自分の持ってバンソウコウを貼ってあげたりして、「ありがとうございます」なんて。この時、初めてスキンシップを取ったのかもしれません。手を繋いだり、触ったりも、「彼氏がいるし、アルバイトさんだし、学生さんだし」と気持ちを抑えて封印していたのです。その割にはいきなりバンソウコウを貼るとはいえ、生足に触るとは・・・ですが(笑)
そう、少なくとも僕は彼女と普通の友達以上にはなれている、という自負も確信していました。
そんな中、短期アルバイトさん達の契約期間が満了になっていく頃を迎え、お食事会を何度かしていく事に。彼女もじきに満了を迎えてしまう・・・。短期アルバイトさんのお別れ会は満了日や出勤状況を考えて2回(2回とも出席可能)に分けて行ったのですが、彼女はそのうちの1回だけしか参加せず。それ以外に20代の女性2人と年配の方が1人と僕でスイーツを食べに行く日もあったのですが、その日も彼女は参加せずでした。もちろん、出席した時は僕の隣に座ってくれていましたが、彼女の話題になった時はスペイン人の彼氏との将来の行方などを聞く先輩がいたりして僕は・・・。
最初から可愛いと思っていた僕は、「カップルのように見える」と言われた辺りから一気に好きになってしまっていました。
だから、毎日会うたびに、他の男性スタッフと話している姿を見るだけ嫉妬していました。
(続く)