こうしてA大への進学が決まった麻里子は高校の卒業式を間近に控え、母親に連れられて上京した。
まずはアパート探し。
郊外に行くと家賃は安くなるが、学校まで電車で通うとなればなにせこの容姿なのでもう毎日痴漢にあうのは必至。
必然的に学校の近くで探すことになる。
しかし誰でも出入りできるアパートだとどんな目に合うかわかったものではない。
そこで家賃は高かったが、オートロック付きだけは譲れなかった。
どうしても普通の子よりは何かにつけ高くつくのだ。
そして入学式が終わり、履修登録を済ませるとバイト探しとなる。
ある日、麻里子はいとこでイベントコンパニオンの麻美に事務所への登録に一緒に行ってもらった。
そこには以前イベント会場で出会った社長が待っていた。
「いやー楽しみにしてたよ。ありがとう」
そういって登録用紙を差し出したので記入していった。
「仕事はすぐにできるの?」
ときくので「はい、授業がないときはいつでも大丈夫です」というと
「実は早速だけどGW中にイベントがあるんだ。初めてだから麻美ちゃんも入るし安心だろ」というので「はい、お願いします」ということで早速初仕事が決まった。
そして初仕事の初日。
麻里子は途中で麻美と待ち合わせ、会場に向かった。
そこは以前、高校生の時に行ったビッグイベントも行われるあの大きな会場。
「あー私もここに立てるんだ」
もう夢のようだった。
麻美に連れられて自分のブースへと向かい、あいさつを済ませると早速コスを手渡され、着かえさせられる。
ボデイーラインを強調するひざ上20cmの白のミニワンピに青のスカーフ。
「わーおしゃれ」と思わず麻里子がつぶやくと「まあよくある定番のコスね」と、こともなげに麻美が返す。
細身で長身の子が多いコンパニオン用の衣装なので、Gカップの麻里子が着ればもう胸はパツパツなので、短いスカートがずり上がって余計短くなってしまう。
「なんか麻里子がきたらエロくなっちゃうね。人気出ちゃうよ」
と麻美が笑う。
しかしそれはずばり的中した。
新人の麻里子に与えられた仕事はアンケートを取ることだった。
ノルマがあり、女の子が一番嫌がる仕事だ。
しかし麻里子はさっそくその恵まれたスタイルの良さをいかんなく発揮した。
開場して麻里子のブースにも多くの来場者があった。
アンケートというのはめんどくさがって誰もすすんで書いてくれたりするものではない。
あくまでかわいい子が「おねがいしま〜す」と甘い声で頼み込んでなんとかやっと書いてくれるのだ。
しかし自慢のGカップバストとすらりとした長い脚を武器に麻里子は寄ってくるお客から次々とアンケートを取っていく。
ほかの声をかけたコンパニオンをスルーしてわざわざ麻里子からアンケート用紙を受け取る客も少なくない。
ただ少し言葉を交わすだけでもどうせなら好みの女の子から、と考えるのは男のさがだからだ。
「あの子すごいな」
「いやーあの子使えるよ」
クライアントからそんな評判が立つのに時間はかからなかった。
しかし思わぬ邪魔もあった。
コンパニオンおたくのような大きなカメラを持ったカメコが写真を撮らせてくれと麻里子目当てに次から次へとやってくるのだ。
しかし撮影禁止でない以上、断ることもできず、一応ポーズをとって撮らせてあげる。
もちろんアンケートも書かせるのだが、「あまり見ないね、新人さん?」などとしゃべりかけるのでもう迷惑でしかない。
しかもその日の夜には早くも「巨乳でスタイル抜群の新人コンパニオン発見!」などと麻里子の写真がネット上に出回る始末だった。
初日から新人の麻里子はほかの女の子に大きく差をつけ、結局開催の3日間でもダントツのアンケート獲得枚数。
最終日には打ち上げが行われ、コンパニオンたちとクライアントの会社の社長以下幹部や担当者も出席した。
その席でも麻里子の話題でもちきりだった。
そしてやがてお開きになるや否や麻里子に魔の手が伸びた。