僕は今年で30歳になる会社員。そんな年の1月にある神社への初詣に行った。初詣と言っても、本当に初ではなく、日付も10日頃だった。彼女もいない僕は共に独身で2歳下の後輩の会社員と2人で電車で40分ほどかかるところまで行った。元アルバイト先の同僚でもあり、久しぶりに会う友人との話は楽しいもので、別に男2人でも平気で楽しかったぐらいだ。
その神社は大きく、かなり昇る階段も多い。一汗くらいは出る。そして、そのお参りを済ませて下って来た。少し小腹が空いたので、いっぱい出店している夜店を見渡すと、「チーズフォンデュー鯛焼き」という珍しいモノが売っていた。
ただ、やはり「珍しいし、美味しそう」なモノなので、かなり行列ができていた。でも友人との会話も楽しいので並ぶ事にした。そして15分間は並んだ頃、やっと購入できそうになった時の事だった。
僕「おお、やっと買えるわ」
友人「でも鯛焼き何匹ずつ焼けるんかな?」
僕「え〜っと(数えると)24匹ずつぐらい」
友人「ぎりぎりじゃない?」
僕「確かに。これで直前で『8匹買います』とか言われて寸止めなったら帰る?』
友人「そうやな。仕方ない。」
そんな会話をしていると、僕ら2人の前にいた明らかに20代前半の女子2人が振り返って話かけて来た。
女子A「大丈夫ですよ。私たちも1つずつ買わないし、お兄さんたち分もありますよ」
女子B「そうですよ、そうですよ。私たちそこまで食いしん坊じゃないですよ(笑)」
といきなり声を掛けられたのだ。
「ああ、ありがとうございます。」と僕ら2人は返したが、直後に彼女たちが鯛焼きを購入してその場を去った。
次に僕らが鯛焼きを購入した時、見渡すと近くで立ちながら鯛焼きを食べていた彼女たちが目に入った。僕は自然と、でも実は強引に友人と共に彼女たちのところへ行った。
僕「ありがとうございます。お蔭さまで買えました(笑)。待った甲斐がありましたね」
と話しかけると、
女子A「めっちゃ美味しいですね。もっと買っておきたかった」
僕「じゃあ俺ら買えなかったですよ〜(笑)」
女子A「そうですね。アハハ」
と会話をし始め、同じ電車で来ていて、家も同じ方向だと発覚したので、一緒に帰ることにした。
偶然に自然と、でも異性を意識し合つつ強引にも出会った4人。当然ながら異性を意識しつつの会話は笑顔やキャピキャピ感も出ている。彼女達は共に24歳で同じ専門学校の同級生だった。Aさんはナナちゃん(仮)小麦色の肌でギャルっぽい感じもある。それもそのはず、その筋の女性アパレルブランドの店員さんだ。Bさんは黒髪で清楚なミカちゃん。モデル体型の細いスタイルの持ち主で、白のコートが似合っているお嬢様系、お姉さま系だ。ミカちゃんは乗務員の仕事をしている。似合うはずだ。CAではないけど。
僕はギャルは嫌いだ。というよりも苦手だ。しかも、ミカちゃんはタイプだ。でも、僕はナナちゃんに惹かれた。2人組の男女で、共に率先して話をするタイプは僕とナナちゃんだったこともあり、会話もよく交わしたからだろう。
そして、駅のホームで立ちながら話をしている時、身を乗り出して笑った時、ナナちゃんの胸元がコートを着ているのに大きく揺れたのだ。巨乳だ。間違いない。それも仲良く話している。「このまま夕食は一緒にできるはず。そのあとも?」と考えていると、タイプのミカちゃんよりも、ナナちゃんに夢中になった。
そして、暖房が効き過ぎていた電車内は、かなりの階段を上り下りした僕らには熱かった。そのため、ナナちゃんはコートを脱いだ。最初は自分でコートを持っていたが、「優しさアピールと胸の大きさチェック」のため、荷物持っとこか?」と言って譲り受けた。
しばらくは席が空かずに立ったままだったので、わからなかった。しかし、席が空いて、ナナちゃんとミカちゃんを座らせるとハッキリと分かった。紫色のニットセーターは完全に膨らんでいた。巨乳に間違いない。爆乳かもしれないサイズだ。
しかも出会ったばかりの異性として印象は良い。隣に座っているミカちゃんもタイプなのは承知だが、もう完全にナナちゃん狙いになったところで、ごちそうするからと言って食事に誘い、僕の下車駅の近くの鍋屋に行く事になった。
僕の家の最寄り駅は他の電車との乗り換えも多く、友人やナナちゃんもミカちゃんも、もともとその駅で下車して乗り換えだったから都合が良かったのだ。
(続く)