思いが募る一方で、俺は上司という立場。なかなか彼女にデートに誘いづらく、飲み会の席で隣に座るのがせいぜいだった。職場では厳しい上司の俺が、周りから疎まれているのは知っていたが、彼女だけはいつも優しく接してくれた。ある日、俺は思い切って彼女に残業をお願いした。彼女は快く引き受けてくれて、二人きりで仕事をしていた。俺は終わり頃を見計らい、「Aちゃん、夕飯でも一緒に食べよう」と声をかけた。彼女は「はい、いいですよ。他のどなたかと一緒ですか?」彼女はガードがかたく、男性と二人きりになるのをためらう人だ。そこも、ますます惚れてしまっている俺。「こんなおじさんとご飯は嫌だよね…ごめんね」そう言うと彼女は申し訳なさそうな、顔をして少し考えて「いいですよ、夕飯ご一緒させてください、課長おじさんじゃないですよ」と…。俺は彼女を車にのせ、レストランに向かった。つづく