「え?貧乳だから同じ水着着るなって突き飛ばされた?」
泣きじゃくる被害者の二人から詳しい事情を聴いたレイコが再びカナの方へ向き直る。
改めてみると、バストの成長だけでなく、中学時代にはカナとほとんど変わらなかった身長も随分伸びたようだ。
「自分より弱そうな子見つけてマウンティングとるなんて、カナ、あんた中学の時から成長してないのね。
でも、第一高校の生徒会長として、うちの生徒に手を出されて黙ってるわけにはいかないわ」
「黙ってないって、どうするつもりよ!」
レイコの迫力に気圧されながらも、仲間たちの手前、引くに引けないカナは精一杯強がって、聞き返す。
「あんた、成長してないのは頭だけじゃないみたいね。ちょっと胸が大きいからってお山の大将になっちゃって。
中学の時に私に負けたこと、まさか忘れちゃったわけじゃないわよね?」
「あ、この子がレイコちゃんの言ってたカナって子?中学の時におっぱい勝負で倒したとかいう」
それまで黙って事の成り行きを見守っていたレイコの連れが急に口を開いた。
「何よ!アンタ!部外者は黙ってなさいよ!」
自慢のバストをまたバカにされたレイコは頭に血が上り、レイコの連れをキッと睨みつけた。
「あ、私はレイコちゃんと一緒に生徒会の副会長やってるアイリって言います。
私も一応生徒会だし、うちの生徒に手出しした人を見過ごすわけにはいかないかなって。
それに、確かにそこそこおっぱい大きいみたいだけど、レイコちゃんと比べたら全然じゃないですか?」
レイコの陰に隠れていて気付かなかったが、大人しいワンピース水着を着ているアイリだが、その胸元は激しく自己主張している。ひょっとするとサイズはレイコとほとんど変わらないかもしれない。
「レイコ!勝負しなさい!中学の時みたいにはいかないわよ!」
「良いわ。どこからでもかかってきなさい!」
一気に距離を詰めると、先手必勝とばかりにカナがレイコのバストを両手で鷲掴みにする。
「(こ、こんなことって…)」