修学旅行3日目
「きゃー、きれーい!」
白い砂浜と、透き通るような青い海。沖縄の美しいビーチで、カナたちのグループ6人はふざけて水を掛け合ったり、互いを砂風呂に埋めたりしてはしゃいでいた。
それに飽きると、他の生徒たちのいる位置から少し離れたところでスマホを使って記念写真の撮影を始めた。青い海を背景にいろいろなポーズで写真に写る。
すると、カナが、自分たちの後ろで知らない女子2人が写り込んでいることに気が付いた。どうやら向こうはカナたちが写真をとっていることに気づいていないらしい。
「ちょっと。写真撮ってるんだから、あっち行ってよね」
サキとカナが二人組に近づいてそう言った。旅の高揚感で、ついつい気が大きくなって、つっかかるような言い方をしてしまったのだ。
「は?何?別にあんたらだけのビーチじゃないでしょ。ウチらがどこに居ようとウチらの勝手じゃん」
どうやら二人組もどこか別の高校の生徒らしい。こちらも気が強い性格らしく、売り言葉に買い言葉で、つい口調がキツくなる。
その時、カナは二人組の一方が来ている水着が、自分とまったく同じものであることに気づいた。
自分が悩みに悩んでようやく決めた水着を、谷間もできないようなペチャパイ女が着ていることに、急に不快な気分になってくる。
「ちょっと。貧乳の分際で、私と同じ水着なんか着ないでよね!」
カナの言葉はほとんど言いがかりに近かったが、旅の浮かれ気分を害されたことと、どう贔屓目に見てもBカップ程度の二人組に対して、Fカップ・Hカップという巨乳を持つ自分たちの方が“女として上”という妙な自信とがカナを調子付かせていた。
口論になっているカナたちに加勢しようと、カナのグループの残りの4人も集まってきた。
類は友を呼ぶというのだろうか、他の4人もカナ程ではないにせよ、皆Eカップ以上の巨乳揃いだった。
「どんな水着着ようと私の勝手でしょ!そっちこそ、寄せてあげてるだけじゃないの?」
「なんですって!この貧乳!」
ムニッ!
「きゃあっ!」
自慢の巨乳をバカにされて頭にきたカナがBカップ娘の胸を無造作に鷲掴みにする。
すると思わず悲鳴をあげた彼女は両腕で自分の胸をガードするようにしてその場にうずくまった。
突然のことに驚いたのか、目には涙が浮かんでいる。
「ちょっと、何するのよ!変態じゃないの?」
「うるさいわよっ!」
ドーン!
「きゃぁあっ〜!」
友人に手を出されたもう一人が抗議するが、今度はサキが相手のBカップに自分のFカップをぶつけるように体当たりした。
Fカップの衝撃に耐えられなかったもう一人のBカップ娘は砂浜に転がってしまう。
「うわ〜ん!」
「ひくっ!ひぃっくっ!」
二人組はとうとう声を上げて泣き出してしまった。
「ふん!貧乳のくせに調子に乗るからよ」
カナが吐き捨てるように言う。その時、カナたちのグループの背後から叫び声がした。