『異世界に召喚されたら囮にされていた件』
……気が付くとおれは両手足を縛られていた。ロープや粘着テープといった代物ではなく、うねうねと蠢く長い茎に。ちょうど蛇に全身を絡み取られる感じだ。
「ちょ……た、助けて」
「囮さんごめん。ウチら戦ってる暇ないのさ。モンスターの相手よろしく」
さっと敬礼すると四人組のパーティが駆け去っていった。辺りに漂うのは薄い霧。草いきれを放つ雑草は露に濡れている。どうやら朝の草原に横たわっているらしい。
「囮だけ召喚して逃げちゃった」
「しょうがないでしょ。私たちとお化けひまわり、倒してもたいした経験値にならないんだもん。あいつら結構なレベルだったよ。スルーされてよかったじゃん」
「勇者がスライムと出遭った感じかぁ」
顔立ちがそっくりな妖精が二匹、おれの頭上で舞っていた。虹色に輝く透明な羽を羽ばたかせ、蜂のようにホバリングしている。体長が15センチ程度しかないのに加え、美少女なのでモンスターとは思えなかった……って、痛い痛い痛い!
「お化けひまわりさん、絞め殺すのストップ。この人ただの囮だから」
シュゥゥゥゥ、と奇怪な唸り声をあげてお化けひまわりが束縛をとめた。種が生える部分――管状花に口だけがあり、茎葉を長い腕のように伸ばしておれを捕縛している。根を地面に埋めたまま歩けるらしい。きもかった。
「でも朝ごはんゲット」
と双子の片割れが喜んだ。カチューシャの色の違いでどちらか識別できる。
「朝ごはん……て? まさかお化けひまわりは人間を餌にしてるとかっ」
「違いますよ。囮さんに説明してあげるとですね、私たちは妖精族の亜種でフェラリーって言うんです。野宿してる旅人さんを襲って精子を吸い取る習性を持ってる。だから朝ごはんゲットなんです」
「蝶々が花の蜜を吸う、みたいな?」
「物分かりがいいですね。というわけで精子ごちそうになります」
双子がお化けひまわりに命令し、おれのパンツをズボンごと脱がせた。小さな身体では旅人の服を脱がせられないので、お化けひまわりと群れているという。服を脱がせてもらったお返しは、お化けひまわりの種をあちこちに撒くことだそうだ。
「待って。ち○ぽ見せるとか恥ずかしい」
「わお……この囮さん、包茎だ」
「おっきさせて早く皮をむくわよ」
白いカチューシャを着けた片割れが言い、おれの左脚の付け根に舞い降りた。もう一方のフェラリー――黄色いカチューシャを着けたほうは右脚の付け根に着地する。そして蝶々の口吻というか、蛇のような細長い舌を伸ばすと棒の裏をくすぐってきたのだった。
「……あひゃひゃひゃ。く、くすぐったいってば」
「気持ちいいみたいですね。そのまま勃起させちゃってください」
「ふにゃちんのままだと精子出してもらえなくて困るんです」
双子のちろちろフェラにおれは情けなくも勃起してしまった。ヌルヌルとした感触が肉棒を蠢くのだ。初フェラの相手は妖精です、とか妄想すぎてたまらない。
「これくらいで充分かな。よいしょ、と」「せーの、と」
フル勃起したち○ぽを、双子が倒れたポールを立てるように持ち上げる。阿吽の呼吸で包皮を下に引っ張られると亀頭全体が露出した。
「ちょっと囮さん。せっかく立てたんだからお腹にそり返らせないでください」
「そんなこと言っても気持ちいいし先っぽが爽快で」
無理やり立てられたちん○ぽは双子の背丈より若干低い。
「くんくん。このフェロモンの混じったおちんち○んのにおい。美味しそう」
「いただきまーす」
と二人が同時に舌を伸ばし、好き勝手にち○ぽを舐めはじめた。裏筋をちろちろとくすぐってはカリ首をなぞり、溝を丹念に擦る。尿道口に揃って舌を突っ込まれた時には悶絶するしかなかった。人間には真似できないフェラだ。
「やばひっ……出そうっ」
「出しちゃってください。顔に掛けられても平気ですよ」
片割れが尿道口をほじくり、もう片方が亀頭の扁平な部分を撫でる。途轍もない快感におれは精液を射出してしまった。飛び散った粘液に双子が夢中でくらいつく。
「おいっしいい! なにこれ最高の精子じゃん」
「ハァ〜〜……こういう精子を毎日食べられたらいいのに。絶品すぎて幸せ」
双子はヘソに着弾した精子、先っぽから滴る精子を次々と平らげていく。
「精子が絶品とか初めて言われたんだけど」
「精子の味はもちろん男性の数ほどありますよ。でもですね、やっぱり最高品質は高齢童貞なんです。熟成期間が違いますからね。満たされない性欲がなんともいえない風味を醸し出すんです」
褒められているような貶されているような。
双子の片割れがねだった。
「もっと精子ください。美味しすぎて食べ足りません」
「連射は大丈夫だけど思うけど……少ししか出ないかも」
「私たちがお手伝いします」
と目を輝かせてうなずくと、双子がすっぽんぽんになった。体長15センチしかないのに巨乳だとわかる。ま○こは種族特性なのか無毛だった。
「な、なにを……?」
「旅人さんを襲う時に使う得意技です。これをしてあげるとですね、初めは暴れてた旅人さんも喜んでくれるんですよ。おっぱいって種族が違っても男性の好物なんですよね」
言うや否や、萎える気配のないち○ぽを再び立たせ、双子が左右から抱きしめた。全裸でポールにしがみつくような格好だ。そして亀頭を舐めつつ身体を上下に動かす。小さな巨乳が肉棒を擦った。ちゃんとやわらかく弾力のあるおっぱいだった。
「くおおおっ……き、気持ちいい――っ」
「フェラリーの先天スキルです。おちん○ん、幸せでいっぱいになりません?」
四つの乳房が肉棒を圧迫する。絶妙な愛撫におれは射精欲をまた疼かせてしまった。現実の女性にパイズリフェラされるのも夢だが、妖精に弄ばれる喜びはたとえようがない。空っぽになったはずの精巣が充填されて、すぐに撒き散らしてしまった。
「結構出たじゃないですか」「飛びましたねえ」
(ハァハァ……き、気持ちよすぎるぞ、フェラリーのパイズリ)
「ああ美味しい。四つ星のおちん○んに出逢えて幸せ……はむっ、ちゅるちゅる」
「独り占めずるいよ! 私にも食べさせて」
きゃあきゃあと朝ごはんを取り合う双子の姿を、おれは恍惚とした心地で見守っていた。お化けひまわりに拘束されながら。
――そうして三発目をせがまれて果てた時、目の前には見慣れたおんぼろアパートが広がっていたのだった。
稀有な経験だった。パンツは異世界に置き忘れてきたらしいけど……まあいいか。
(おしまい)