テスト監督を丸投げされた。体調不良や公欠で中間考査を受けられなかった生徒三人の追試だ。しかも土曜日出勤という、ある種パワハラ被害的な状況だった。他に出勤している同僚といえば、運動部の顧問が三、四人だけで、校舎はしんと静まり返っている。
「聞き取れなかった。もう一回」
教室中央の最前列に座っていた小泉愛がリクエストした。『オーラル・コミニュケーション基礎』のリスニング問題だ。本試験では一回のみの放送だが、ユルユルな空気の追試なので要求に応える。さっきの数学IAの試験でも、「難しい」とか「どうやって解くの?」と私語を繰り返す三人をおれは放置していた。不正にならない範囲で許容して。
「もう一回だけな」
とCDをリプレイする。
小泉愛以外の二人は須山未来と佐々木花梨だ。須山が小泉の隣に座り、その後ろに花梨が座っている。クラスが別々なのに友達のように接しているのは、小泉がまったく人見知りしない性格だからだ。彼女の勢いに呑まれて須山も花梨も垣根を取っ払っていた。新たなLINEグループができる瞬間を目撃した。
道案内する設定のリスニング問題。『哲哉が示した場所はどこでしょう?』という英文の質問があり、A・B・C・Dの四つのポイントが問題地図上に記されている。正解はBの『City Hall』。公園の向かい側、というワードを聞き取れれば簡単だ。
須山と花梨は一回目の放送で正解していた。頭を抱えているのは小泉だけだ。聞き取れなかったのか、英文の質問を理解できなかったのか。
CDを停止してテスト監督に戻った。作問した杜先生は仏様らしく、平易な問題ばかりで時間が余ってしまった。三人が答案を見直してもなお十分ほど定刻に遠い。
三人の眼の前に立ってタイムスケジュール表を確認していると、ふと小泉が股間を触ってきた。
「……おい」
「だって暇なんだもん」
「だからってセクハラしてくる生徒がいるかよ」
「逃げてないじゃん」
小泉の突然の暴走に、須山も花梨も顔を赤らめていた。遠慮ないというか自分の本能に素直すぎるのが小泉の長所であり短所だ。
「やめれ」
「未来ちゃんも花梨ちゃんも触ってみて。まじおちん○んだよ。――ほら」
と須山の手を取って小泉が股間を触らせた。この高校では百年に一度の奇跡と称される美少女だ。須山の世界史を担当できて幸せだと思う。世知辛い教員生活が癒されるのも、アイドル並みの美貌に会えてこそだ。
「わかったから」
「花梨ちゃんも」
二列目から無理やり引っ張られる手。おとなしくて引っ込み思案な性格は、おれの中で好印象だ。授業は担当していないけれど、廊下ですれ違うたびにきちんと挨拶してくる従順さはときめかないでいられない。
三人の手がスラックス越しに股間を触ってきた。照れながら、笑いながら。
「触り続けられたら勃起する」
「だんだん大きくなってきてるのわかる」
「頼むからSNSで拡散するな。学校にバレたらクビになる」
クビどころか逮捕案件だ。高校一年生にセクハラしたとなれば世論が厳しい。たとえ積極性を持ったのが教え子のほうだとしても、真実の弁明は受け入れられないだろう。未成年との性行為はフィクションだけで許される。絶対にノンフィクションにしてはいけない。
「勃起見たい」
と小泉がジッパーをさげてきた。
「ほんとまじでやめれ」
とはいえ、現役女子高生に求められて拒否りたくはならない。
解放された社会の窓から、トランクスが下げられてフル勃起がご開帳した。肉々しい棹が青筋を浮かび上がらせている。教え子に見られて歓喜していた。
「めっちゃ勃ってるし」
「どうしてくれるんだ、この状況」
「精子出せばいい。射精するまで元に戻らないんでしょ?」
小泉が遠慮なく肉棒を握ってきた。
「お前の手コキで、か」
小泉でも文句はない。性格が陽キャラすぎてへんちくりんだけど、ルックスは美少女方向に振れている。彼女がいてくれてクラス運営が助かっている同僚が何人いることか。
「私の手コキね、神レベルだよ」
「嘘つけ。まだ処女なのがバレバレだぞ、その触り方」
夜のお店だが、一応、女性に手コキしてもらった経験はある。ただ源氏名で夢を見せてくれるその女性はプロだったので、小泉のような初々しさはなかった。うぶな女子高生と戯れながらち○ぽを遊ばれる、というのがおれのフェチな夢だ。
小泉が人差し指で裏筋を撫でてきた。残る二人も生フル勃起で好奇心にスイッチが入ったのか、赤面しながら、興味津々な瞳を浮かべながら、肉棒を弄ってくる。須山が棹をにぎにぎした。花梨が亀頭の扁平な部分をつつく。
「遊ぶなって」
言葉でたしなめるものの顔はにやけてしまう。
小泉が肉棒を握っては硬さと太さに驚いた。須山がカリ首に沿うように人差し指をスライドさせる。あっという間に滲みだした我慢汁を、花梨が指先で弄って糸を引かせた。
そんな夢みたいなち○ぽ点検が何分も続いた。もはや道徳だのコンプライアンスだのと自戒してはいられない。
「ちゅう」
おれはリクエストした。
「特別サービスだから」
と小泉が亀頭に一瞬だけキスする。セクハラを超越したオーダーを嫌がらないのは、おれへの好感度が思ったより高いからかもしれない。その証拠に須山も花梨もフル勃起にキスした。根元を摘んで差し向けられた肉棒に、ためらいがちに微笑んで、二列目から身を乗り出してきて。
「三人で舐めて。フェラの練習」
「オーラル・コミニュケーションじゃん」
「寒っ……。そんなベタな返しは期待してない。ていうか伏線を張ったつもりもない」
「伏線ってなに?」
メタの神が降りてきた気がした。と思った次の瞬間には忘れていた。
「小泉から」
おれは肉棒を握らせて愛撫を促した。
照れて躊躇するリアクションに処女が確定した。経験があるなら戸惑わないだろう。
ただ小泉の口は伸びしろいっぱいだった。エロ動画かガールズトークの見よう聞き真似だろうけど、着実にポイントを責めてくる。ベロを這わせては棹の裏を舐め上げ、ちろちろとうごめかせては先っぽをくすぐったのだ。フル勃起を咥えられてみると、亀頭全体をこそばゆい快感が覆った。育成すればフェラチオマスターになれるかもしれない。
「きもひいひ?」
「小泉の口、めっちゃ気持ちいい」
褒め言葉に嬉しがって小泉が口奉仕を続けた。LINE友達の性行為を須山がじっと見つめている。花梨が恥ずかしそうにうつむいていた。
「須山にもお願い」
おれは須山の口先にフル勃起を持っていった。
百年に一度の奇跡は未経験者ではないようだった。ち○ぽの握り方が違う。髪を掻き上げるしぐさにも余裕があった。そりゃ偏差値の高い美貌をしてるなら、彼氏でもパパ活でも需要は多いだろう。そんな幸運の一端に浴せて幸せだ。
「激しいほうがいい? それとも優しい感じ?」
と超絶美少女が上目遣いした。
「激しいほうで」
デリヘルのお嬢にまったりフェラを頼んだ時、あまりに寂しすぎてオーダーを変更したことがある。ゆっくりだと気持ちよさを満喫できるが、快感が平坦で射精欲を煽られない。早漏をなじられそうなくらいくすぐったい感覚が理想だ。
須山が序章のようにフル勃起を舐め、口に咥えた。自由自在にうごめくベロは的確におれの弱点を探し当てる。咥えたまま前後に顔を揺すった。裏筋とカリ首に密着した唇が亀頭を吸引してくる。女子高生のフェラテクにおれは後ろ手で耐えた。
「未来ちゃん、まじうまい」
「口の中えおっきくなふのわかふ。ちょっを苦ひい」
「二人ともすごいし」
花梨が燃えそうに赤面した頬っぺたを手で仰いだ。
……寸止めを繰り返されてから数分後、ようやく絶品フェラからち○ぽが解放された。涎なのか先走りなのかわからない液体で亀頭がてかっている。
「花梨も」
教え子にフル勃起を差し出す快感は満足感の極みでしかない。
花梨が肉棒を握った。亀頭に何度もキスしたのは覚悟を決めるためのウォーミングアップだろうか。さらさらのセミロングを肩越しに流して愛撫を始める。ためらいがちに伸ばされた舌先が裏筋をくすぐった。小泉と須山のフェラテクを真似るように、ありったけの愛情を込めて亀頭に舌を舐め這わせる。
「出そうになる」
とおれは教え子の頭を押さえた。
夜のお嬢のまったりフェラは不満だったけど、現役女子高生のうぶさはツボにはまる。慣れていない舌遣いが心地いいのだ。どんどん射精欲が高まってくる。
「気持ひいい?」
花梨が上目遣いに尋ねた。
「まじヤバい。花梨の口に出しそうかも」
小泉と須山が嫉妬して無理やり花梨の口からフル勃起を離した。
「出しちゃだめ」
三人で仲良く舐めてとお願いした。
女子高生によるトリプルフェラ。休日出勤して正解だった。
三人が相談して攻略場所を決めた。正面から亀頭全体を花梨が、左右から棹と玉袋を小泉と須山が。もちろんポジションは入れ替わる。おれは身を委ねて射精欲に耐えるだけだ。
二列目から席を立ってきた花梨がおれの目の前でひざまずいた。可憐な手で肉棒を握ってきて舌を這わせる。フル勃起を真剣に見つめる瞳が好奇心に輝いていた。目を瞑って肉棒を愛撫し始める姿が健気だった。
「バラバラな感じで?」
と小泉が須山の意向を窺う。
「まあ適当に」
左右から舌が伸びてきた。
ダブルフェラやトリプルフェラ、複数の女性に入れ替わり立ち替わり肉棒を舐められるハーレムは妄想の定番だったが、実際に同時口撃されてみると、その快楽度は想像の遥か上をいっていた。ヌルヌルとくすぐったい感触があちこちでうごめくのだ。しかも不協和音のようで三重奏でもあるリズム感だ。どの愛撫に集中していいか頭が混乱する。花梨の健気フェラで亀頭が膨張したかと思えば、須山の絶品ベロが肉棒の根元からカリ首の溝までを往復する。小泉が陰嚢に吸い付いて睾丸を口に含んだ。かまきりの卵みたいなパーツが面白いらしい。
「もっと先っぽだけ舐めてもらっていい?」
増幅していく射精欲に耐えながら、おれはもっとも妄想していたシチュエーションをリクエストした。敏感な亀頭を同時にぺろぺろ、ちろちろ、れろれろしてほしい。
三人が顔を寄せ合い、変態的な教師の要求に笑い呆れながら、舌先を伸ばして好き勝手に舐めてきた。健気で絶品で陽キャラすぎるベロに、亀頭が真っ赤に充血して蹂躙される。ずっと満喫していたい欲望と、早く射精したいという本能がせめぎ合った。現役女子高生のトリオ演奏に耐え抜ける男がいるだろうか。
「………っ!」
ムズムズしたこそばゆさが駆けあがってきた瞬間、おれは予告するのも間に合わず射精してしまった。とんでもない勢いで噴出したスペルマが花梨の頭を通り越しつつ髪の毛に着弾する。びっくりした三人がけれど三重奏をやめないので、おれはリビドーに委せて射精しまくった。意識が消滅するほどの快感だった。多幸感に満ちて人生に希望が持てた。
「めっちゃ出たし。栗の花くさっ。目、開けられないじゃん」
小泉の鼻先とまぶたに白濁した粘液が滴っている。
「やっぱりカリ首が弱点だった」
と射精に導いた舌技を誇るようにつぶやく超絶美少女。
「げほっ、ごほっ」
口中に受け止めてしまった精子に花梨がむせていた。
「三人でお掃除して」
とおれは小泉と須山と花梨の頭を撫でた。
――テスト監督はまだまだ続く。今度は試験中におっぱいを触ってやろう。いや、フル勃起を晒しながら胸チラでオ○ニーしても。
妄想寄稿『練習台で遊ばないでください(Extra)』END