それは麻里子が自宅の最寄り駅に着いた時のことだった。
改札を出ると「麻里子さん」と呼ぶ声がする。
そこにはオタクっぽい中年男が立っていた。
するといきなり「私服も素敵ですね。普段もミニなんですか?」と一方的に話し始める。
麻里子がポカンとしていると、「今日、会場で見て写真を撮らせてもらって一発でファンになったんです」という。
でもなぜここに?
すると会場で麻里子に名前を尋ね、ブログを見たのだという。
麻里子はコンパニオンになってすぐ、事務所からブログやったらどう、と言われ毎日更新していたのだ。
でもどうしてここがわかったのか、麻里子は問い詰めた。
もしかしたらずっと自分の後をつけてきたんではないかと。
しかし理由は麻里子の不注意にあった。
数日前のブログに家の近くの行きつけです、とこの駅の近くのカフェをアップしていたのだ。
そしてブログの写真の周りの背景からここがわかったのだという。
また、今日は麻里子が仕事から帰ってくるときに必ずこの駅を通るから何時間もここで待っていたと。
「ファンになってくれるのはうれしいけどこんなこと、もうやめてください」と麻里子はきっぱりというと、男はおもむろにカメラを取り出し、そこに写っている一枚の写真を見せた。
それはイベントの時の麻里子のパンチラ写真だった。
しかも顔も映っている。
ただでさえ裾が短いミニワンピなのに、麻里子はその豊かな胸でぐっと押し上げるので余計短くなってしまい、少し前かがみになると中が見えそうな状態だった。
しかし初めての仕事で緊張していた麻里子にそれを気にする余裕などなかった。
それを逆手に取られ、前かがみになった瞬間を撮られてしまったのだ。
しかも悪いことにコスが白なのでピンクのショーツが鮮やかに写っている。
そして「これ、ネットにアップすることもできるんだけど」と麻里子を脅してきたのだ。
麻里子はまだこの仕事を始めたばかりだ。
こんな写真が出回ったらもう大変なことになる。
お金でかたをつけろということか、それとも・・・。
男は周りの目が気になったのか、小さな声で「やらせてくれとまではいわない。そのきれいな脚とでかい胸に触らせてくれればそれでいい」と少しやさしめにいうと、近くの駐車場に停めてある自分の車に麻里子を連れて行った。
そうはいってもいきなり襲ってこないとも限らない、何とかHだけはさせたくない、でもどうしよう、麻里子は様々な思いが頭をよぎった。
すると車に乗り込むや否や助手席のミニからむき出しになった麻里子の脚に触り始めたのだ。
麻里子は覚悟を決めた。
そして「今回だけですよ。そして終わったらそれ、消してくれるなら」と応諾した。
「きれいな脚だなー。もう脚だけでいきそうだよ」
ミニスカから麻里子の白くすらりと伸びた長い脚が街灯の薄明り越しに輝く。
その上を男のごわごわした手が動く。
「脚長いね。身長の半分脚みたいだ。会場でほかの子と並んでも断然腰の位置高いもん」
しかし麻里子は男と会話をする気など毛頭なかった。
「早く終わって。とにかく早く」麻里子は心の中で叫ぶ。
すると予想通りスカートの中に男の手が入る。
そして太ももをひとしきり撫でまわすと、今度はショーツにまで手をかけた。
それには麻里子が激しく抵抗すると意外とあっさりとあきらめ、今度はシャツ越しに胸を触る。
「大きいね。何カップ?」
しかしこんな男にブラのサイズを教える義理などない。
また下手に教えるとまたネットで書き込みされる可能性がある。
麻里子は聞こえないふりをした。
「これはGはあるな。コンパニオンってスタイルはいいけど胸ない子多いからな。脚はきれいだし乳はでかいし、もうたまんねーよ。いったい何を食ったらこんな体になるんだ」と独り言を言いながら服に手を入れ、ブラをずらして揉んでくる。
「でけーなー、この細い体にこの胸。恐ろしいバランスだな」といやらしくつぶやきながら男は「麻里子ちゃん、俺のモノをここに挟んでくれないか」とパイズリを懇願した。
Hやキスはいやだけど、パイズリならいいか。
そう思って「いいですよ」といい、男が自分のモノを出したその瞬間だった。
運転席を懐中電灯が照らし、ドアを叩く音がした。
警察だった。
「こんなところで何をしてるんだ」
二人の警察官は巡回中に車の中で二人が怪しい動きをしてるのに気が付き、近くに隠れて見張っていたのだ。
麻里子は男と引きはなされ、別々に事情を聞かれた。
麻里子はことの顛末をすべて正直に話した。
「それは男に脅されたから仕方なく応じたということですね」と警察官は麻里子に確認を取ると、男はあっさりと自供したため恐喝罪で逮捕された。
麻里子は触られはしたものの、間一髪のところで救われた。
これがきっかけで麻里子はコンパニオンの仕事を辞めた。
しかしイベント業界ではすい星のごとく現れ、そして消えていった美脚巨乳コンパニオンとして今も麻里子の名は語り継がれているのだ。