【変態世相 猥言の達人 其の二】
※個人名は全て仮名です。私の体験をもとに書き起こしておりますが、状況をご理解いただくために私の脚色が多少入っておりますことをご了承願います。
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意識して歩調を遅くしていたのですが、それがどうなるものでもなく、ホテルに着いてしまいました。
エントリーステータスを確認したら山本様は既にお部屋で待っておられるようです。胸が苦しくなってきました。ドキドキしながらも気持ちを奮い立たせ予約したお部屋に移動しました。そして大きく息を吐き、覚悟を決めてドアをノックしました。
「ご予約いただいた者ですが……。」
「あ、どうぞ。入って。」
意外にもお優しい声が返ってきました。中に入ると、そこには50代らしきおしゃれで白髪交じりのナイスな殿方が立っておられました。
「やぁ、よく来てくれたね。山本です。君がヒトミちゃんの……」
「はい、ミサトです。」
「そう、ミサトちゃん。今日はよろしくね。」
(あれ? 何だか話が違うわ。私は四号じゃないのかしら?)
山本様はとても気さくに応じてくださり、通常の殿方と変わらないご挨拶の会話が弾みます。本当に言葉にきびしいS様なのでしょうか。でも、あれほどヒトミさんに念押しされたのですから気持ちをゆるめてはいけません。
「山本さん、今日はオプションを承っておりませんが、通常のボボッ、ボインミルク、プ、プレイでよろしいでしょうか? ご、ご希望があれば何なりと。」
「そうだねえ。おまかせでいいんだけど、まずお風呂入るんでしょ?」
「え? あ、はい。ご一緒に。」
「じゃあ、お風呂の中でお乳飲みながら考えるよ。お乳出るんでしょ?」
(は? お乳? ボインミルクじゃないの?)
「は、はい。良く出ます。では、お洋服をお脱ぎになってください。お手伝いさせていただきます。」
「うん、わかった。」
(なにこれ? 全然S様じゃない。ヒトミさん、私をからかったのかな? ボインミルクなんて言うんじゃなかった。ああもう恥ずかしい……。)
私も全裸になり、バスルームへご一緒し、山本様と自分の洗体を終えてから、いつもの授乳前の乳房(にゅうぼう)マッサージをご披露しました。
「ミサトちゃん、おっぱい、めちゃめちゃデカいねぇー。びっくりしたよ。凄いねぇ。指名できて良かったよ。いや、ほんとデカいなぁ。」
「あ、ありがとうございます。」
(おかしい……。おっぱいだなんて……。ボインじゃないの?)
「日本人だよね? 形も大きさも白人のおっぱいみたいだね。言われない?」
「は、はい、ときどき……。」
「へぇー。そうやって、お乳出す前におっぱい揉むんだ。気持ちいい?」
「い、いえ……。こうすると……」
「うおっ! 母乳出た! すげーっ! すごいよ! ミサトちゃん! こんなの初めて見たよ! うはっ! 乳が飛ぶ飛ぶ! いや凄いわ、これ! 大丈夫? 母乳、無くなっちゃうんじゃない? 僕の飲む分、残しておいてよ!」
(なぜ? ボインミルクって言わないわ。やっぱり私、かつがれたのかも。でも油断できない……。)
「ボッ、ボインミルクのご用意ができました。どうぞ、ボボッ、ボイン、ニッ、ニップルにお吸い付きいただいて、め、召し上がって下さい……。」
「やったー! 待ってました! いやミサトちゃん、乳首も凄いねぇ! こりゃ楽しみだ! じゃあ、いただきまーす!」
歓喜の表情で乳首に吸い付く山本様。しばらく湯船の中で授乳プレイが続きました。体勢を入れ替えつつ左右の乳房を交互にとてもご熱心にお乳を吸われます。
浴室には身体を動かす水音、母乳を飲む際の喉を鳴らす音、そして荒々しい鼻息が響いていました。延々と乳吸いをなさったあと、山本様は乳首からお口を離され大きなげっぷをされました。
「うぷっ! ぶぅー。はぁー。うまかった! ミサトちゃんのお乳は濃くて甘いねぇ! おどろいたよ。ヒトミちゃんのも美味しかったけど、ミサトちゃんのは別格だな。量も凄いし。こんなに飲みきれないよ。でもほんと、うまかった!」
「あ、ありがとうございます。」
「いや、良かったよ! 今まで見たこともないデカいおっぱいからさ、牛みたいに乳が出るんだもん。こんな女の子に会えたのはもの凄いラッキーだよな。ヒトミちゃんに感謝だよね。」
ここまでは私のお相手してきた新規の殿方のよくあるご反応と何ら変わりありませんでした。とてもご満足いただけたようです。山本様は湯船から身を起こされました。
「ところでさ、君。」
性格が切り替わったように、破顔から急に真顔になられる山本様。
「さっきからボイン、ボイン言ってるってことは、ヒトミから聞いてるんだろ? 僕の性癖。」
「は、はい。それとなく伺っております……。」
(やっぱりきたわ!)
「じゃあ、話は早いよな! 説明も済んでるみたいだし、スイッチ入れてもいいかい?」
「え? え? できればご説明をいただきた……あ。」
「よおおっしゃあああ! いくぞぉおおお!」
「え? え? なに? 怖い!」
山本様は突如豹変し、湯船からザバーッと立ち上がりになって拳を握られました。50代の殿方とは思えないペ○スのいきり立ちようです。凄まじい人の変わりように恐怖さえ感じました。
「いいか、ボイン女! いやお前はとびきりデカいからな。スーパーボイン女だ。お前は今からスーパーボイン女四号だ! わかったか!」
「えっ! 何なの、それ! ちょっ、ちょっと待ってください!」
「口ごたえするな、四号!」
バシーンッ!!
山本様から躊躇なく私の乳房に平手打ちが飛んできました。
「あうっ! くっ! いったーい! やめてーっ!」
母乳の詰まった乳房は神経が過敏になっていて、気構えなくぶたれると息ができないほどの激痛が走るのです。Mの私でもムードの無い痛みは快感に変わりません。ただの苦痛です。
「黙れ! ボイン女! お前はスーパーボイン女四号だと言っているんだよ!」
「わかりました! わかりましたからぶたないで! 私は、スーパーボイン女です……。」
「違ーうっ! スーパーボイン女四号だ!」
「ひーっ! すみません! わ、私はスーパーボイン女四号ですっ!」
「もう一度言ってみろ!」
「私はスーパーボイン女四号ですっ!」
「よーし。これから反抗的なこと言ったりボインって言わなかったら容赦しないからな。覚えとけよ!」
「はい……。ぐすん……。」
まさにジキルとハイド。解離性同一性障害を疑うべき突然の豹変ぶりにおののくばかりです。私はこれからのプレイに耐えることができるのでしょうか……。
かくして紳士だった山本様はダークサイドの超ド級S様に、私はスーパーボイン女四号へと変身を遂げ、ステージ2に突入するのでした。