【大人のための甘乳】 まるお様、しゅわ様、jis様に捧ぐ
リスクがともなう危険な風俗業。でもいったんその世界に身を投じ生活の糧を得ようとするなら、自らの肉体をプロフェッショナルとして彫琢するのは当然のこと。
そして磨き上げた妙技を駆使して殿方にお仕えし、心づくしの「おもてなし」を執り行うのです。
「おもてなし」とは「相手に不快な思いをさせないこと」と心得ております。殿方に召し上がっていただく母乳のオーソリティーとして、自身の母乳の味と質にはとてもこだわりを持っています。
搾るだけの母乳遊びだけならともかく、不味いお乳では赤ちゃんと同様、殿方もお飲みになる気分にはならないでしょう? 美味しいお乳こそいっぱい搾って楽しんでいただけるというもの。
ですが、赤ちゃんにとって美味しいお乳は大人にとっても美味しいものかといえば、実はそうでもないようです。
私にはお乳を吸わせる赤ちゃんがいません。自らの胸で所産したお乳を飲んでいただく対象は大人なのです。赤ちゃんではなく大人にとって美味しいお乳を出すことこそが私の仕事。
しかしながら大人のためのお乳を出すことって、実は周りの誰も経験がなく(あたりまえです)、とても難しいことだったのです。それは常連様との試行錯誤の連続(常連様、ごめんなさい)でした。
結論から申し上げると、大人にとって美味しい母乳とは「より甘い方が美味しさとして分かりやすい」ということでした。
母乳は食べ物がダイレクトに反映されます。単純に糖類を摂取すれば当然母乳も甘くなりますが、これは何も考えていないと言ってもいいほどの愚行で、血液の粘度を増大させ乳腺炎のリスクを飛躍的に高めてしまうという危険きわまりない方法なのです。
ではどうすれば安全に母乳を甘くできるのでしょう。常連様との数々の試行錯誤で得た食材の答えがタマネギでした。甘さ増大の秘訣はタマネギをふんだんに摂取することだったのです。
タマネギは辛み成分と甘み成分の両方が含まれていて、ややもすると辛みの印象が強く、もともと甘い野菜だったことに気付くのに時間がかかってしまいました。
タマネギはものによっては16%もの糖度を含むものもあるそうです。その糖のなかに身体に優しい甘み成分「フラクトオリゴ糖」というものが含まれているそうです。これが私の母乳を雑味ない甘さに仕立ててくれた成分だと思うのです。
そしてタマネギに含まれる辛み成分「アリシン」は血液サラサラに効果を発揮してくれるそうで、とうぜん乳管が詰まる乳腺炎を防いでくれます。タマネギは母乳を甘くしながら乳腺炎を予防してくれる夢のような食材だったのです。
タマネギをたくさん摂取するようになって「ミサトの乳はうまい!」「甘い! カルピスみたい!」とお誉めの言葉をたくさんいただくようになりました。えっへん!
でもですね、ここに至るまでの紆余曲折、自分でも褒めてあげたいほどの勉強と努力を重ねてきたんですよ。
想像してみてください。もともとの乳の質が悪かったとしたら、タマネギをたくさん摂取しただけでその乳が美味しくなると思えますか?
私の経験から申し上げれば、良質なスープベースの上に甘さが乗らない限り真の美味しい母乳を出すことは難しいと思います。母乳を甘くすることはあくまでも最後の味付け過程なのです。