高校に入って初めての夏休みも目前のある土曜日、みくは友達のあみと買い物に出かけた。
あみは巨乳でこそないものの、166cmのみくよりさらに背が高く、デニムのショーパンから細くて長い脚をむき出し。
タンクトップのような胸元の開いたピタピタのシャツをFカップバストが押し上げ、下はミニスカというみくと二人並んで歩くと嫌でも目を引かずにはいられない。
たちまち2人連れのチャラい学生風の男が声をかけたが、2人はもう慣れっこのようにスルー。
そしてあるファッションビルの前に来た時だ。
「あのー、モデルとか興味ありますか」とスーツ姿の若い男が声をかけてきた。
みくはあみに小声で「スカウトでしょ。いいよ、無視無視」と言って歩き出そうとするとあみが「ちょっとだけいい?あたし、興味あるし」とみくに言ってスカウトマンに「私?それともこっちの子?」ときくと「両方」というので2人で話を聞くことになりました。
男はモデル事務所の名刺を出し、読者モデルや撮影会などの仕事があることを伝え、「2人とも背が高くてスタイルいいね。タイプは違うけどレベル高いね」といい、あみには「君は典型的なモデル体型だし、雑誌の読モがいいね」といい、みくには「君は撮影会やったらすごい人気になるよ。」といい、もう後に引けなくなりました。
最初は渋っていたみくもやる気になり、近くにある事務所に行き、登録することになりました。
担当者も決まり、「早速だけど、HPに載せる写真を撮りますね」ということで写真も撮り、その日のうちにアップされました。
すると翌日、事務所の担当者から電話が。
「早速でびっくりなんだけど、個撮のリクエストがあってね。」
というのです。
個撮というのはカメラマンとの1対1の撮影会のことです。
「来週の日曜日だなんだけど大丈夫?」というのでOKするとギャラは2時間で1万円だというのです。
「えっ、まじ?なんかあやしくない?」と一瞬思いましたが、撮影は事務所のスタジオだし、担当者もついていてくれるとのことで安心。
「コスは私服と水着、1着ずつ用意しておいてね」と言われ、あわてて前日にビキニを買いに行きましたが、私服は普段から着てるのでいいです、とのことでキャミっぽい胸元の開いた服にミニに決めました。
そして当日。
現れたのは40歳くらいのメガネの根暗そうなオヤジでした。
手にはものすごい望遠レンズのついた大きなカメラ。
「はじめてなんで宜しくお願いします」と挨拶すると「ああ」と無愛想なぼそっとした声。
まずは私服から。
しかし一旦ファインダーをのぞきこむと人が変わったように積極的に。
「そう、手をこっちに」「目線ちょうだい」と矢継ぎ早に指示を出してくるのでもうみくも必死。
座るとミニなので結構見えそうなのですが、そこまで気を配る余裕もありませんでした。
手で隠してるつもりでしたがおそらくパンチラも相当撮られていたでしょう。
そして着替えの休憩の後は水着。
昨日買ったばかりの花柄のビキニです。
カメラマンは「すげーな、15歳とは思えないよ」とつぶやきながら露出した肌に望遠レンズを寄せてきます。
特に胸は前から横から執拗なほど狙ってきます。
試着せずに「胸が大きめの」と言って買ったのですが、カップに入りきってはいません。
「緊張してる?スマイル」とか言ってくるのですが、とにかくキモくて早く終わらないかな、とばかり考えていました。
そして終わった後、カメラマンが「いいネタできたぜ」とつぶやいたのをみくは聞き逃しませんでした。
そう、男はみくの写真をずりネタにするつもりなのです。
みくもそのことは初めから承知の上でした。
しかし改めてそういうのを聞いてしまうとやはりいい気はしません。
「あたしのパンチラや水着がこんな見も知らぬ男のオカズになってしまう」、そう思うと身の毛がよだちました。
でも2時間で1万は大きい。
口説かれなかった分だけいいとしよう、そう思いみくはもう少しこの仕事を続けてみることにしました。