Page 900 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼聖フォレスト女学院高校文化祭〜第二章〜 Angel Heart 05/9/29(木) 17:04 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 聖フォレスト女学院高校文化祭〜第二章〜 ■名前 : Angel Heart ■日付 : 05/9/29(木) 17:04 -------------------------------------------------------------------------
† 猫耳女子高生が勧めてくれたのは、“☆熱闘甲子園☆”という名の模擬店だった。どこかで聞いたような名前だが、聞けば彼女のクラスが企画したらしい。 教室の前にはユニホームを着た女の子が立っていた。 「いらっしゃいませ」 日焼けした肌が健康そうな、見るからに体育会系のコだ。たぶん、本当にソフトボールでもやっているに違いない。 「1試合につき20‐Angel Heartです。出場なさいますか?」 なんだかよく分からないが、まぁせっかく紹介されたのだからやってみるか。 俺は頷いた。 「ではプラチナカードをどうぞ。ポイントを清算させて頂きます」 カードを差し出すと、女の子はカードリーダーでポイント清算を行った。一体、何をする模擬店なのだろう。 「こちらへどうぞ」 案内されるまま教室の中に入る。ブラックライトとBGMでクラブハウスのノリだ。黒板には“☆熱闘甲子園☆”と、色んなチョークで落書きされていた。 「みんな、選手入場だよ」 案内のコが叫ぶと、教室にいた女の子たちが拍手で俺を迎えた。ざっと30人はいるだろうか。ミラーボールが輝く教室なんて見たことがない。 「あの……」 案内のコが遮った。 「1回戦の相手を選んで下さい。全部脱がされたらゲームセット。野球拳の始まりです」 「や、野球拳!?」 思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。そうか、だから“☆熱闘甲子園☆”か。 「ご存知ですよね? じゃんけんで負けた方が服を脱いでいくっていう」 「ああ、まぁ」 実際にやったことはないが、なんとなくルールは分かる。 「ここでは好きな女の子と対戦できるんです。全部脱がされたらゲームセット。反対に全部脱がせることができたら、2回戦、3回戦に進めます」 つまり運が良ければ、全員を素っ裸にできるというわけか。 (いや、待てよ。ここは学校だから、いくらなんでも裸にはならないか……) 「決勝戦、つまり最後まで勝ち抜いたら監督に就任できるシステムです」 「監督に?」 「はい。お客様のバットでみんなを鍛えちゃって下さい」 ――お客様のバット? 「オチン○ンですよ(笑) 監督になるとみんなとエッチができるんです」 「マジで!?」 俄かには信じられなかった。が、案内の女の子は澄ました顔で頷いている。 「ホントです。1回戦の相手を選んでください」 示されたのは9人の女の子たちだ。みんなメジャー級のかわいさだ。コスプレではなく制服を着ているのは、脱ぎやすくするための配慮だろうか。 俺は狐につままれた思いだった。が、既にポイントは払ってしまっている。こうなれば挑戦するしかないだろう。 俺はさんざん迷った挙句、<キャッチャー>の札をつけた女の子を指名した。微妙にポッチャリ系だが、その分、おっぱいが大きい。本当に脱いでくれると言うのなら、是非その巨乳を見てみたい。 「リナちゃんご指名! 二人とも教室の中央へどうぞ!」 「ひゅうひゅう!」 天使の甲子園に歓声が沸き上がる。 メガホンを持った案内役のコが、真剣勝負の始まりを告げた。 「それでは第一試合、プレイボール!」 † 「――アウト♪ セーフ♪ よっよいのよい!」 グー。チョキ……俺の勝ちだ。 「あーあ、負けちゃった☆」 残念そうに呟くと、1回戦の相手――ややポチャのリナちゃんは、前かがみになってソックスを脱ぎ始めた。本来は真っ白な筈のルーズが、ブラックライトで青く光っている。 「続いて1回の裏、レッツゴー!」 観客の大合唱。さっきはグーで勝ったから、今度は――。 「アウト♪ セーフ♪ よよいのよい!」 よしっ、二連覇。またチョキを出すと思ってたぜ。 「ああん、もうっ!」 リナちゃんが悔しそうに地団駄を踏んだ。当たり前だ。ルーズの次はブラウスかスカート。どちらを脱ぐにせよ、下着を披露する破目になるのだから。 「脱―げ! 脱―げ! 脱―げ!」 野次馬が手拍子で煽る。リナちゃんはブラウスを選択した。 「お―――っ!」「すご――ぃ!」「ひゅうひゅう!」 ブラウスが取り払われた途端、教室の中にどよめきと歓声がこだました。高校生とは思えないほどの爆乳が、みんなの前に曝け出されたのだ。 俺も呆気にとられていた。HかIはあろうふくらみが、フルカップのブラからこぼれ落ちようとしている。 (で、でか……ぃ) リナちゃんは恥ずかしげに両腕を抱えていた。重そうなおっぱいがぎゅっと寄せられている。谷間の深さも半端じゃなかった。掌に乗せて弾ませたら、きっとポヨンポヨン波打つに違いない。 「ごくん」 俺は思わず生唾を飲み込んでいた。チ○ポもうっかり反応してしまった。 (こ、こうなったら決勝まで行ってやるぞ。そして全員のおっぱいを拝んでやるんだ) 俄然、ヤル気が湧いてくる。リナちゃんも負けじと、組んだ手を捻ってじゃんけん占いをしていた。 「それでは2回の表、レッツゴー!」 再びの大合唱。さて、今度は何で勝ってやろうか。 † (くっそーぉ!) ところがそう簡単にはいかなかった。音頭に合わせてリナちゃんが跳ねるたびに、目の前でおっぱいが揺れるのだ。おかげで駆け引きに集中できず、気がつけば連敗に連敗を重ねていた。リナちゃんはまだブラジャー姿。それに比べて俺は、たった今トランクス一枚にされたところだった。 「さあゲームは7回の表。リナちゃんが勝てばゲームセットです。このままコールドゲームが成立してしまうのか、それとも甲子園の魔物が姿を現すのか。注目の一球です!」 審判が盛り上げる。意地悪な観客が「負けろ」コールを俺に向けた。 「それでは運命の勝負、プレイボール!」 フレーズが繰り返される。リナちゃんはまたリズムに乗って爆乳を……。 いや、ダメだ。駆け引きに集中しろ。ここで負けたら終わりなんだ。 ((ぷるん、ぷるん、ポヨン☆)) それにしてもでかいな。もうちょっと強くジャンプしたら、カップからこぼれるぞ。 じゃなくて! 二回連続でパーだったから、今度はきっと……。 ((たぷん、たぷん、ぷるん☆)) おっ、気のせいか下乳してるような――。 「アウト♪ セーフ♪ よよいのよい!」 吾に返るのが遅かった。一瞬の沈黙の後、教室全体が歓声で揺れた。負けたのだ。俺は負けてしまったのだ。 「ゲームセット! 一回戦はリナちゃんの勝ち!」 「ひゅうひゅう!」 リナちゃんはハイタッチで祝福を受けていた。となれば次は、敗者が処刑される番だ。 「脱―げ! 脱―げ! 脱―げ!」 「チ○ポ! チ○ポ! チ○ポ!」 手拍子と大合唱。全員が悪魔に見えた。お、俺の負けを期待しやがって! (くっそぉぉ――そんなに騒ぐなぁ!) 半分自暴自棄だった。でも半分嬉しかった。俺ってもしかしてMだったのか。 ――うりゃぁっ……泣! 「ぎゃぁぁぁぁぁぁ―――ハハハハハっっ!!」拍手喝采。 「たってるし! たってるし!」悲鳴絶叫。 「ひゅうひゅう!」アンコール。 どたばたと床を蹴って喜ぶ女の子達に、俺は自尊心が崩壊する音を聞いた。まさか女子高生の前で全裸にされるとは。――こ、こらっ、写メなんか撮るなっ! 「アハハハ――ざ、残念でしたね。でも立派なバット持ってるじゃないですか。また来年も甲子園に来てくださいよ……アハハハハ」 ユニホームを着た女の子は笑いすぎて目に涙を浮かべていた。 が、無言のままの俺から何かを読み取ったらしい。 「ええっ、ひょっとしてリベンジするつもりなんですか!?」 当たり前だ。こんな恥辱を受けて、黙って引き下がることはできない。 「頼む、再試合だ。相手はまたリナちゃんで。今度こそ、今度こそ」 おっぱいを見てやる、という言葉は飲み込んでお願いした。敗者のその闘志に、観客達が温かい声援を送ってくれる……のが普通なのに、30人の野次馬達は、出しっ放しのチ○ポについて熱い品評会を繰り広げていた。 「いいですけど、また20‐Angel Heart頂きますよ?」 「構わんっ」 俺は叫んだ。 † (くっそぉぉっ……一回戦で止めとけば良かったぁぁ――泣。) ネクタイを締めながら教室を出ると、俺は“☆熱闘甲子園☆”を後にした。再試合、再々試合、再々再試合を挑んだものの、結局リナちゃんの生乳を見られなかったのだ。気がつけば80‐Angel Heartも使っていた。まるでハマリ台に捕まった気分だ。 「面白かった、野球拳?」 猫耳女子高生が訊いてきた。が、まぁ冷静に考えれば、女子高生と野球拳できたから満足だ。残念賞で脱ぎたてのルーズソックス貰ったし。例えれば甲子園の土か。 「ハハ……受付で注意されたのに、ちょっとポイント使い過ぎちゃったけどね」 すると猫耳女子高生が言った。 「だったら“シャングリラ”に行ってみれば?」 「シャングリラ?」 「渡した案内にあったじゃん。視聴覚室でやってる模擬店。カジノだから、もしかしたらポイント増やせるかもよ」 (なるほど。言われてみれば、そんなお店もあった気がする) ふと興味が惹かれた。遊んでみたい模擬店は他にもあるのだ。 「もっとも、運が悪かったら全部パーになるけど」 「…………」 俺は迷った。運任せの賭けに出るか、それとも残り20ポイントで我慢するか――。 俺は決意した。一攫千金を狙ってやろう、と。 ――文化祭終了時刻まであと2時間27分。 |