Page 787 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼第四話ー佳子の部屋に泊まる 香奈枝 05/6/16(木) 10:32 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 第四話ー佳子の部屋に泊まる ■名前 : 香奈枝 ■日付 : 05/6/16(木) 10:32 -------------------------------------------------------------------------
なんであれ、最後まで書きます。 狭いベランダから細い風の流れが部屋に入ってきます。デスクの上にある照明が黄色い光を放つ。不完全だけど、部屋はカーテンで二つに分けられている。私がこち、佳子が向こうで着替える。 白いカーテンの上に、人の影が映っていて、影の輪郭に光のラインが引かれている。洋服と絡んでいる腕ーーその付け根の部分に急カーブが伺える。白い壁の上に、もっと大きく、真っ黒な影が映っている。そのカーブが黒々と、ほぼ壁一面を占めました。 私は先に着替え終わってベッドの上に座り、カーテンの向こうに向けて座っている。足をぶらぶらさせて、ベッド下の旅行箱を軽く叩く。トンットンットンッっと。これで、時間が私のリズムに合わせて流れていく…のですが… 「ポテトいる?」とカーテンの向こうから彼女がポテトの袋を投げってきた。力加えられた袋がジジっと音を立て、ぽとんっとこちの床に落ちる…ちょっとしたら、カーテンのこちも向こうも、ぽりぽりという音でいっぱいになり、他の音が消えました。 「ミズキくんが私の親友に告白したって言ったじゃん。」 「うん。」彼女の裸を見てから、前より落ち着いて彼女と接することができるよな気がした。「で、誰って聞いたよね?」 「気になるの?付き合ってないのに〜」と彼女が後ろに体を倒れ、壁に映るカーブが緩やかになった。 「…誰なの?」 「…ペプシとコーラ、どちが好き?」と言い、彼女がボトルの口を咥え、ごくんごくんと飲みました。喉から胸に波をうつ。 私が思い出した。映画の中に、女が高そうなお酒を胸に、お腹に、あそこに、足にかけ、「来て〜」といいながら、男の頭を胸の谷間に押さえ込むシーン。ぺちゃぺちゃという音を立てながら、おいしそうに嘗め回す…「…ペプシ…炭酸が効いてるから…」 「そうそう、そうなの、私もこれが好きなの!」とはしゃぎ、身を起し、彼女がカーテンの向こうから頭を出した。「こちに来てもいい?なんで女同士でカーテン使うのさ?」 「使わなければなんで付けるの?」と私が最後の抵抗のつもりで。 「だって彼女(同じ部屋の子)が嫌なやつだから…」彼女がもうこちのベッドに転びこんできて。「香奈枝は違う。気が合うんだもん…」私の腕を掴み、頭が肩に寄せてきました。 「いいよね。女同士で…」 カーテンの向こうには空っぽになっていて、黒い影がなにかなんだか分別付かなくなっていた。肌と肌がくついて、離れる時に、ねっとりとした感覚が残った。白いTシャツの下に、ブラジャーに被られている部分と挟み出している胸肉の部分がはっきりと分かる。他のやり場もなく、四本の足がどうしても絡む。 「はっ〜はっ〜」呼吸が速く、熱くなていく、口の中が湿っているが、喉や唇がカラカラ。きっとほっぺが真っ赤になっている。もし私から掛けたら、きっと落ち着いてられるのに、彼女ががんがんこちに責めてくるから、どうなるのか分からなくて、怖くても期待しちゃうーーそんな感じで、心臓がパクパクする。いつも、私が人にしていることなのに… 彼女が私に抱きついてくるように身を寄せてきた。彼女の膨らみが私のと触れた瞬間、胸が感電したように、体がピクンっとした。「ああっ」と小さな声で喘ぎました。耳のそばに彼女の吐息が熱くてくすぐったくて…「親友で、私なの。ミズキとしたの。」と彼女がいままでなかった冷たい語調で囁く。心がチクッと痛いような感じがする…でも、いまはミズキはいらない、わからない…佳子と絡みたい、キッスをしたい、その胸に包まれたい、のみ。 涙(涙じゃない)越しに彼女の顔を覗き、いつの間に化粧し直した顔にやっぱり紫のアイシャドーが付いている。それで、赤いチェック柄のシャツ、ボタンの間にパクパクと開ける口、黒レーザーの下着、ウインク…が目に浮かぶ、生の肉体と抱きついているのか、彼女に関するエグイ記憶と抱きついているのか分からなくなった。 続く。 |