過去ログ

                                Page     369
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
   通常モードに戻る  ┃  INDEX  ┃  ≪前へ  │  次へ≫   
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ▼Tits Cream Sisters 〜姉妹の未来〜  Angel Heart 04/6/3(木) 16:50

 ───────────────────────────────────────
 ■題名 : Tits Cream Sisters 〜姉妹の未来〜
 ■名前 : Angel Heart
 ■日付 : 04/6/3(木) 16:50
 -------------------------------------------------------------------------
    “愛してる”と耳元で囁くと、僕はそっと彼女と唇を重ね合わせた。柔らかな感触が伝わり、彼女を愛しく思う気持ちがどんどんと湧き上がってくる。
 彼女もまた僕への思いを表現するかのように、優しく、時には激しく僕の唇を求めてきた。絡み合う舌がお互いをもっと知りたいと語っている。たったそれだけで満たされた心地になるのはなぜなのだろう。
「ん……」
 彼女の胸に触れた。ゆっくり愛撫すると彼女が小さく吐息を洩らした。バスタオルを剥ぎ取ったのは僕だっただろうか、それとも彼女の方だっただろうか。
 ふと見つけたシンプルで洒落たホテル。交際を始めてから2年が過ぎた僕たちは、まるでそれが自然であるかのようにチェックインした。そうして二人でシャワーを浴び、ベッドに腰掛けて二人の未来を語り合ったのだ。“きっと幸せな家庭を築こう”と。
 仰向けになった彼女に覆いかぶさるようにして、僕はたくさんのキスをプレゼントした。もう何度となく彼女を抱いているのに、抱くたびに彼女をもっともっと好きになる。こんなに大切に思える女性は、世界中でたった一人だけだった。
 可憐な乳首を口に含むと彼女が恥ずかしそうに喘いだ。舌先で転がすとつんっと硬くなってくる。僕は右手を彼女の太股に這わせ、そしてそっと秘裂へと触れた。
「あんっ」
 一段と大きな声で彼女が悶える。彼女のそこはもう湿り始めていた。
「ねぇ……なんでもう濡れてるの?」
 と言葉で羞恥心を煽ることもあったけど、今日は何も言わずに敏感な突起を愛撫した。指で優しく撫で回し、時には舌先で転がしてみる。肉壁を両手で開いてぺろぺろ舐めると、彼女の体が小刻みに痙攣した。
「あっ……あんんっ」
 わずかに広がったホールを守るように、どこからともなく愛液が溢れてくる。フェロモンの香りが部屋中に広がり、僕は彼女をもっと悦ばせたくなった。スッ……と中指をホールに挿れて動かすと、クチュクチュと卑猥な音が聞こえる。
「あんっ……あっ、んんっ」
「…………」
「んっ……あっ、あんっ」
 やがて、“これなに?”と悪戯っぽく、僕は愛液で光る指先を彼女に見せつけた。恥ずかしさに顔を真っ赤にしながら、彼女がちょっとだけ怒ってみせる。僕は許しを請うように頬にキスすると、今度は自分が仰向けに寝そべったのだった。
 もちろん、お互いに理解している間柄だから、何も言わなくても彼女には通じる。僕の横で四つん這いになると、ぴんっと硬くなったペニスをそっと口に含んでくれたのだ。
「ああっ……」
 思わず情けない声が出てしまうほど、彼女のフェラチオは気持ちよかった。ペニスを頬張って顔を動かしたかと思えば、隅々までちゃんと舐めてくれる。彼女の口の中でもっと勃起するのが分かった。
「ん……ん……」
 彼女も感じているのかも知れない。僕のそれを咥えながら、小さな声で悶えていた。
「顔の上に跨って……ほら」
 と、彼女の片足を取って誘導する。お互いに秘部を愛撫する格好になった。シックスナインだ。


 ――それからどれくらい愛撫し合っていただろうか。
僕は再び彼女を仰向けに寝かせると、その足をM字型に開かせた。秘裂はもう充分に潤って挿入を待っている。
 が、僕が避妊具の箱に手を伸ばすと、彼女がそっとその手を掴んで首を横に振った。“大丈夫……”という意思表示だ。――いや、それ以上の意思表示だった。
 なぜなら、今日は安全日ではなかったのだから。
「本当にいいの?」
 彼女の思いを受け止めてもなお、僕は確認せずにはいられなかった。
うん、と彼女が……僕の婚約者が静かに頷く。
 僕は幸せにしてやると心に誓った。どんなことがあっても彼女をずっと守ってみせる。
 愛を待つホールにそっとペニスをあてがうと、僕は彼女の耳元で囁いた。

「――愛してるよ……志穂」


                  ◇◇◇


 教会のなかに清らかな音楽が流れ始めるとすぐ、ウェディングドレスを着たお姉ちゃんが、最愛の人と腕を組みながら姿をあらわした。
 イチバン前の席に座っていたあたしは、その光景をふりむいて見守った。ビデオカメラで撮影してるのは、たぶん、お姉ちゃんのお友達だ。
「おめでとう!」
「おめでとう!」
 フラワーボーイ役の男のコが、バスケットから花びらを取り出し、深紅色のバージンロードに振りまいてゆく。嬉しそうに歩くお姉ちゃんを、みんなが祝福してくれた。その先ではローブに身を包んだ初老の神父さんが、二人の到着をずっと待っている。
「志穂ちゃん、おめでとうっ!」
 お姉ちゃんがすぐ横を通り過ぎたとき、あたしも手をたたいてそう祝福した。今まででイチバンきれいなお姉ちゃんが、今まででイチバン幸せそうに微笑んでくれた。“ありがとう……”って、そう言ってくれた気がする。
 もちろん、お姉ちゃんのハートをつかんだのは先生だ。先生も灰色のタキシードを着て緊張しながら歩いてる。あはっ、やっぱ先生ってマジメ!
 そしてお姉ちゃんと先生が聖書台にたどり着き、神父さんの聖書朗読が始まると、式場がしんと静まり返ったのだった。

「……愛する者たち。私たちは、互いに愛し合いましょう。愛は神から出ているのです。愛のある者はみな神から生まれ……」

 なんかあたしまで嬉しくなってきた。だってお姉ちゃんの幸せは、今までも、これからもずっとあたしの幸せなんだもん。
 ううん、確かに先生にフラれたときは悲しかった。

“里穂ちゃんのことは好きだよ。でもそれは、どちらかって言うと妹を思うお兄ちゃんの気持ちに近いんだ。愛してるんじゃなくって、たぶん、面倒を見てあげたい気持ちだって言った方が正確だと思う。だから里穂ちゃんの想いには応えてはあげられない。本当にゴメン……。”

 そう言われたあの日、あたしは一晩中泣いた。枕をたくさんぬらして、声を押し殺してたくさん泣いた。そして先生がお姉ちゃんを選んだと知ったあと、志穂ちゃんとは何日も口を聞けなかった。
 でも今は違う。お姉ちゃんの結婚を心から祝福してるし、あたしはあたしなりに最愛の人との出会いを待ってる。先生にフラれたのは、きっと“里穂にはもっとステキな男性が待ってるんだよ”っていう神様の思し召しだと思うから。
 だから志穂ちゃんを今でも大好き。だって世界中で誰よりも大切なお姉ちゃんだもん、先生とはずっと幸せになっていて欲しい。
「……はい、誓います」
 一生に一度の誓いが終わった。二人の薬指に愛情で輝く指輪がはめられ、先生がお姉ちゃんのベールをそっと上げる……。
 ああっ、もうっ……おでこにキスさせるなんてお姉ちゃんらしいんだから! 照れないでチュってしちゃえばいいのにっ!

“Hey, Riho…It’s time to go.”
(里穂、そろそろ時間よ)

 不意に隣に座ってたジェニー先生が言った。腕時計を指差して時間だと訴えている。
 そうなんだ。留学が決定したあたしは、お姉ちゃんの挙式を途中退場して、午後の飛行機に乗らないといけない。本当は最後までいたいんだけど、向こうの大学の手続きがあるから仕方なかった。あたしのホストファミリーになるのは、ジェニー先生の家族だった。

“Wait a minute. Because I have something to do.”
(もうちょっと待ってよ。まだやんなくちゃいけないことがあるんだから)

 そう言うと、ジェニー先生が“What?”と呟いて考え込んだ。
 でもすぐに気がついたみたいだ。

“Oh…I see. It’s very important for you.”
(そう言えばそうね。忘れてたわ)

 ジェニー先生がクスっと笑う。先生は拾う気がないのかな? ブーケトスって、受け取った人が次の花嫁になれるんだよっ!

“Speak to me after your getting the bouquet. I wait for you in front of this chapel.”
(ブーケトスが終わったら言ってね。教会の前で待ってるから)
“I got it.”
(うん、分かった)

 あたしは言った。ジェニー先生が教会を出てゆく。
 結婚証明書への署名が終わって、聖歌隊と一緒に賛美歌の430番を歌った。
 お姉ちゃんと先生が、仲良く腕を組んでバージンロードを戻ってゆく……。

 ――あたし、ちゃんとブーケを受け取れるかな?


                  ◇◇◇


 トス用のブーケを手に教会の外へ出てみると、みんなが一斉に祝福の言葉をかけてくれた。一番大切な瞬間を、一番大切な人たちに囲まれて、一番大切な未来を祝ってもらえるなんて最高に幸せだった。この愛を、私は永遠に守っていきたいと思う。
 ――カラ〜ン……カラ〜ン……カラ〜ン。
 雲ひとつ無い青空に向かって、教会の鐘が大きく鳴り響いた。みんなが吹いてくれるシャボン玉が、太陽を反射して虹色に輝いている。先生も……ううん、夫も大学院の友人にひやかされて嬉しそうだ。本当に、本当に私はこの人と結婚することができたんだ。

“僕にとって大切な人は、心の優しいお姉ちゃんの方だよ。告白されてから、なんかだんだん志穂ちゃんの存在が大きくなってる。……いや、ずっと前から志穂ちゃんが好きだったのかも知れない。きっと告白されて初めてそれに気がついたんだ。”

 先生からそう言われた時、私は嬉しくて涙が出た。この人を好きになって良かったと、本当にそう思った。
 たぶん、それからだ。私の胸が大きくなり始めたのは。
(恋をすると、女のコはきれいになれる……)
 これは真理だと思う。嘘でも噂でもなく真実なんだ。
 ブーケトスの時が来た。
 見れば里穂ちゃんも並んでいる。
 大学を辞めて家庭に入る私の代わりに、妹がアメリカの大学で双子を研究してくれる。“なんでお姉ちゃんが幸せになると自分も幸せになれるのか”研究するんだそうだ。
 里穂ちゃんらしい。
 でもその答えは私には分かっている。
 だって生まれる前からずっと一緒なんだもん。幸せも一緒だよ。
 だから私は心の中で願う。

 ――このブーケが里穂ちゃんに届きますように……って。


                          Tits Cream Sisters 〜Fin〜

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    通常モードに戻る  ┃  INDEX  ┃  ≪前へ  │  次へ≫    ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━                                 Page 369