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 ▼乙女のプライド〜第三章〜  Angel Heart 11/10/22(土) 22:31
   ┗Re(1):乙女のプライド〜第三章〜  かさな 11/10/23(日) 3:39

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 ■題名 : 乙女のプライド〜第三章〜
 ■名前 : Angel Heart
 ■日付 : 11/10/22(土) 22:31
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   (おとといか……。それならたぶん、精子は溜まってるはず)
 正直、射精の仕組みはよく分からない。けれど女子間の噂では、精子は発射しないと溜まっていくものだそうだ。だったら悟くんのおちん○んには、いま2〜3日分の精子が保留されていることになる。それを一気に噴出させてあげれば、あの馬鹿大生に勝てるかも知れない。いや――すでにタイムアタックでは負けが決まったのだから、引き分けに持ち込めると言った方が正しいだろうか。
 私は少し作戦を変えた。
「ね――悟くん。聖羅にどんなパイズリして欲しい?」
「えっ……?」
「私が勝手にやってるとあんまり気持ち良くなさそうだから、悟くんのお願い聞いてあげる。どんな挟み方でもいいよ。言って」
「どんなって言われても……だ、大丈夫だよ。今のままで気持ちいいから」
「ううん、遠慮しないで。ほら」
 そもそもパイズリ初体験の小学生が主導権を握ろうというのが間違いだったのだ。能動的に気持ち良くさせてあげられないのなら、反対の立場に立てばいい。悟くんの夢と希望を叶えてあげて、彼の方から射精欲を高めてもらうのだ。思春期の妄想が叶ったら、絶対に興奮してくれる。
 でかち○ぽの学級委員長さんは暫くまごついていたけれど、やがて私の言葉に甘えると決めたようで、か細い声で要望を言った。
「じ、じゃあ西九条さんが仰向けになってくれれば……」
「仰向け?」
「寝てるところに挟みたいんだ。ボクが西九条さんのお腹にまたがって、おっぱいの谷間にちん○んを挟んで……」
 なるほど。寝パイズリってやつか。どこかのケータイサイトで見たことがあるけど、結構マニアックな方法だ。
「いいよ。じゃあこっちに来て」
 と、私は悟くんの手を引いて本来は病人用のベッドに向かった。
 余裕たっぷりの馬鹿大生は隼人くんにお掃除フェラまでやってあげている。
「好きにやればいいじゃない。どうせ私が勝つんだから」
 馬鹿大生なんて無視。いまさら焦っても仕方がない。
 私はベッドの上に寝転んだ。思春期の願望を吐露した悟くんが、ついでとばかりに欲求をさらけ出す。
「あ、あとボクが西九条さんにパイズリされてるところ、真理奈さん達にガン見されたいかも。ベッドの周りを取り囲むようにして、ずっと。できれば言葉責めとかもして欲しい。恥ずかしくて顔から火が出るくらいに」
 なんだか悟くんが壊れてきた。寝パイズリって、どっちかって言うとエスっぽい態勢なのに、ガン見されたいとか言葉責めされたいとか。パンツ脱がされる時に嫌がったのは嘘で、ほんとはどエムなのだろうか。
「そうなんだって。みんな大丈夫?」
 真理奈達はべつに戸惑いもしなかった。ずっとおちん○んとパイズリを見ていたから、小学生の女子なりにエッチな気分に変わっていたのだ。むしろ悟くんを言葉責めすることが楽しそうな様子で、クスクスと笑いながらベッドに寄って来た。
 すっぽんぽんの悟くんがおちん○んをそり返らせながらベッドに上がり、私のお腹にまたがる。仰向けのまま見るペニスは矢印みたいに元気だった。私はふと挿入されそうな錯覚を覚え、きゅんと胸が熱くなった。
「おっぱいで谷間作って」
「こう?」
「ううん、もっと。脇を締めるんじゃなくて、ちゃんと両手で寄せて上げるみたいに」
 私はリクエストに従って左右のバストを手繰り寄せた。
 悟くんが「ハァ、はぁ……すごいおっきぃ……」とかなんとか鼻息を荒げながら、根元をつまんだおちん○んを谷間に差し込んでくる。
 見下ろすと谷間からにょきっと亀頭が顔を覗かせていた。ぱんぱんにふくれ上がった先っぽはムケ切って喜んでいた。
「すご〜い。悟くんのおちん○ん、聖羅様のおっぱいに挟まれてる」
「ね、聖羅様のおっぱいってどんな感じ? やっぱり柔らかい?」
「や、柔らかくてぷにぷにしてて……ハァ、はぁ。おっきい」
「悟くんマジウケる。おっきぃだって」
「ほら――もっと腰動かしなよ。せっかく聖羅様にパイズられてるんだから」
 真理奈達の言葉責めも始まる。恥も外聞もかなぐり捨てて、ただ思春期のエロスイッチを暴走させているのだ。
 視界を取り囲む小振りなふくらみとパンティのオンパレードに、悟くんの羞恥心が興奮へと転化されてゆく。
「ハァ、ハァ……気持ちいいっ」
「挟まれてるところ見られたいとかって変態じゃない? ち○ぽ超カタくなってるよ」
「悟くんはこうじゃないと興奮しないんだもんね。大好きなんだったらもっと近くで見てあげよっか。もっと勃起するよ」
「紗江ってば、それってガン見しすぎだってば」
「奈緒もやりなよ。我慢汁はっきり見えるよ」
 紗江と奈緒ちゃんが両サイドから顔を寄せる。視界が塞がれてふたりの頭しか見えないくらいだ。
 嬉しい辱めを受けた悟くんはさらにピストン運動を加速させ、谷間のなかをずんずんと突いた。
「ちょっと二人とも、そんなに顔近づけたらおちん○ん見えない」
「聖羅様も見てくださるんですって。悟くん、ラッキー☆」
 紗江と奈緒ちゃんが頭を退けた。
 谷間を出入りするでかち○ぽを捕まえるように、私はがっちりと挟み込んで手を組む。悟くんが好きなのは擦られることじゃない。自分から擦られにいくことだ。
 真理奈がからかった。
「聖羅様の乳首が超立ってる。ち○ぽカタすぎて興奮したんじゃないんですか?」
「馬鹿なこと言わないでよ」
「悟くん、チャンスだよ。おっきぃち○ぽ乳首に擦りつけなってば。挟まれてるより気持ちいいかもよ」
 張り具合満点の谷間に埋もれていた悟くんが、真理奈の誘惑に乗って乳首を悪戯し始めた。そり返りたがるペニスを無理に摘むと、すりすりとそれを擦りつけてきたのだ。
 裏筋をぽっちで愛撫された同級生は、くすぐったい刺激に悶えていた。
「だ、ダメだよ。そんなの聖羅も気持ち良くなる……あんっ」
 私の体にも電流が走った。悟くんが乳首を擦ったり乳輪に押しつけるたびに、なんとも言えない幸福感が全身を貫くのだ。それは夜更けにこっそりやるオナニーよりも甘美で、本能的な幸せを呼ぶ悪戯だった。
「見て、見て! 聖羅様のショーツ!」
 悟くんの乳首攻めが続くうちに、やがて真理奈が大きな声を上げた。私自身には分かっているけれど、恥ずかしい場所の恥ずかしい穴にあたる部分が、エッチなシミを作り始めたのだ。
「聖羅様が濡れてる。超エロい!」
「ほんとだ! 小学生でもちゃんと感じてる」
「ダメ。見ないで」
 羞恥心を煽られているのはどっちなのだろう。
 私は悟くんに谷間を自由にさせながら、必死であそこを隠した。
「いいなぁ。私も聖羅様みたいに巨乳だったら、悟くんのおちん○んで悪戯してもらえるのに」
「でもウチらみんな貧乳だもんね。聖羅様みたいなおっぱい欲しいよ」
「言えてる。お尻だったら自信あるんだけど」
「私も! お尻じゃ挟む価値ないのかな、やっぱり」
「ね――悟くん、お尻じゃダメ?」
「ちっちゃいけどふくらんでるよ、私の胸」
 真理奈と理子と秋穂がヒップを突き出し、奈緒ちゃんと紗江がおっぱいを持ち上げた。
 その途端、谷間でピストンを続けていた悟くんが全身を震わせ、「うっ」とうめいて目を瞑った。
 実弾みたいに噴射した精子は私の頭を越え、勢い良く枕元に着弾した。
 それどころか三日も溜まっていたザーメンは次々と溢れ出し、髪、まぶた、鼻、そして唇や顎に降り掛かった。
 気がつけば私は精液まみれで、ねっとりと熱い欲望に顔を背けていた。
「ご、ごめん……西九条さんの顔に出しちゃって」
「ううん、大丈夫。悟くんが興奮してくれたらなら嬉しいから」
 私はベッドの上に起き上がり、掛け布団の端でスペルマを拭った。正直、顔射されたことには驚いたけど、馬鹿大生と引き分けになるなら大したことじゃない。むしろ初パイズリで射精させられたのが嬉しかった。私のバストはただの巨乳じゃないのだ。男の子をイかせられる巨乳なのだ。
「ずいぶん時間が掛かったのね。待ちくたびれてこっちはもう1発ヌいちゃったわよ。何分掛かったの?」
 真理奈が時計を見た。
「6分33秒」
「そう。5分弱の大差があるけど、まぁ初パイズリにしては上出来ね。今度挟む機会があるならフェラもやってあげな。……もっとも、挟むのに夢中で忘れなかった、とすればだけど」
(しまった!)
 私はうっかりミスに気づいた。
 フェラのやり方を知っていると豪語しておきながら、すっかり悟くんのペニスを舐めるのを忘れていた。もしパイズリと同時に咥えるなり舐めてあげるなりしていれば、もう少し時間差を短縮できていたのに。
 処女の不慣れが表に出てしまった。
「後の祭りだけどフェラしてあげれば? あんたのガキパイで精子撒き散らしてくれた相手なんですもの」
 馬鹿大生が言った。
 二度目のパイズリなのかフェラなのか、あるいは手コキなのか他の方法なのか知らないけれど、かつて片想いだった男の子はまた精子を飛び散らせていた。リノリウム張りのタイルに薄い精子を撒き散らし、連続ヌキの快楽に腰を抜かしている。
 私は悟くんのおちん○んを頬張った。こんな私でイッてくれた感謝の気持ちを込めて、ゆっくりと。
 萎える素振りのないおちん○んが、口のなかで脈打つ。
「飛距離はあんたの勝ちね。いくらこっちにアドバンテージがあるとしても、客観的に認めないわけにはいかないわ」
「殊勝な態度じゃない。小学生に負けていちゃもんでもつけると思ってたわ」
「運が悪かっただけよ。学級委員長さんは三日も精子を溜めてた。でも隼人くんはそうじゃない。射精の勢いに差があって当然」
 また再びの引き分けになっても、馬鹿大生の自信は微塵も揺らがなかった。
 私はベッドから起き上がり、馬鹿女の前に戻った。
「ね――提案なんだけど小細工無しで勝負しない? ブラの壊し合いとかパイズリ合戦なんかやってると、お互いに埒が明かないわ。正々堂々と肉弾戦をやって、相手の息の根を止めた方が勝ちにするの。どちらかがギブアップするか、または谷間で窒息させてスリーカウントされるまで。プロレスと同じく肩を床に着けた状態よ。――どう?」
「私は全然構わないけど、お嬢様には経験があって?」
 相手は怯まない。経験があるのだ。
「もちろん。小学生だと思って馬鹿にしないで」
「あら? はったりなんかで恐縮する私じゃないわよ」
「はったりなんかじゃないわ。あんたは知らないでしょうけど、この世にはローティーン専用の雑誌があるの。私はその雑誌の幾つかに読者モデルとして声を掛けられた。そして撮影にも応じた。でも現場に行ってみるとね、私なんかよりも貧乳のクセに天狗になってる連中がいたの。私は万人が認める美少女なのよ、って。気に喰わなかったから一騎打ちを挑んでやったわ。撮影用の水着を着たままでね。……結果はあっさり。控え室に死に体が横たわってプロデューサーが呆然としてたわ。これじゃ撮影にならないって。あの時の爽快感を思えば武者震いがする。ハニートラップでアンケートを改ざんする実習生なんか、この西九条聖羅が葬ってあげる」
「そんなのガキ同士のままごとでしょう? 私はあんたと違って本物の肉弾戦を経験してるの。彼氏を浮気相手から取り戻したのもこのバスト。女性専用車両で連勝してるのもこのバストなのよ」
「また情けない彼氏の自慢? かわいそうになるから喋らないで、お願い」
「うるさいわね! このガキパイ!」
 真っ向から対峙した馬鹿大生がやおらバストを押しつけてきた。「おしくらまんじゅう」を胸で行う、比べっこ勝負の常套である。互いのふくらみを正攻法でぶつけ合うから、その優劣が歴然として決定する。おされて退けば負けであり、おして倒せば勝ちなのだ。
 私はめいっぱい胸を張り、馬鹿大生の攻撃を受け止めた。ぐいぐいと力がこもるたびに巨乳がひしゃげる。どれが相手の柔らかさで、なにが私の弾力なのか分からなかった。
「潰れてるわよ……あんたのぺちゃパイ」
「あんたこそ……っ。小学生相手にその程度なのっ?」
「口の減らないガキっ。女子大生の巨乳を甘く見るんじゃないわよ」
 馬鹿大生が全体重をバストに集中させ、渾身の力を込めて押し潰してきた。
 床を踏ん張る足がずるずると後退していく。土俵際に追いつめられたお相撲さんのようだ。
「聖羅様っ!」
「負けちゃダメです!」
「頑張ってくださいっ!」
「分かってるっ。この西九条聖羅が貧弱な胸に負けるわけないじゃないっ」
 私は気合を入れて押し返した。ただし、一気に形勢逆転を狙うのではなく、撥ね退けては受け止め、撥ね返しては迎え撃つ方法で。
 徐々に後退していった馬鹿大生がおっぱい相撲を諦め、がっちりと私の胸を掴む。
「憎たらしい巨乳! こんな胸なんか握り潰してやる」
「やっと巨乳だって認めてくれるのね。自分の方が小さいっていま気づいたの?」
「また減らず口を! どっちが大きいかは一目瞭然じゃない」
 文字通り私のバストを鷲掴み、馬鹿大生は握力でも測るかのように力を込めた。
 張りのあるふくらみが容赦なく潰されてゆき、思わず顔を歪める激痛が走る。二次性徴のふくらみは冗談でも鷲掴んでいいものじゃない。愛撫とは違うから遠慮もくそもへったくれもなかった。
「その割には掴み切れてないみたいよっ……。あんたの貧乳は、ほら……小学生の手でも握り潰せるのに」
 私は激痛に耐えながら掴み返した。
 左右から手繰り寄せるように手のひらに収め、ありったけの力で捻り上げてやったのだ。
 柔らかさとか弾力とか、そんな感想なんて感じている暇もなかった。ただ負けたくない一心で力を入れ、乳房のなかの脂肪に圧力を加えてやった。
 馬鹿女が私のEカップを握り、倍の握力で私が掴み返す。
 エロいはずのふくらみはあっという間に赤く腫れ上がり、もはや男子の興奮を煽る代物ではなくなっていた。
「さっさと降参しなさいよっ。痛いんでしょうっ!?」
「誰があんたなんかにっ……! 負けるのはそっちよ!」
 馬鹿大生に乳首をつままれたお返しに、私も乳首をひねり伸ばしてやった。
 哺乳瓶の吸い口みたいに伸びた突起が、捻れてゴム状に延長する。
「痛っい……っ! このマセガキ、絶対許さないっ!」
「きゃあっ!」
 馬鹿大生が手を振り払い、思いっ切りタックルしてくる。
 私は衝撃と共に後ろに弾き飛ばされ、体重計ごと床に転んだ。
 大きな音が保健室に響いて、女の子達の悲鳴が上がる。
 京子が助けを呼びに行こうとしたけれど、私はそれを一喝して止めた。
「誰も呼んでこなくていい! この女との決着は私がつけるから!」
「そうは仰られても聖羅様のお体が……」
「こんなのなんでもないわ。痛くも痒くもない」
 馬鹿女が私を睥睨する。
「理事長の孫娘ともあろうお方が、パンティ一枚で引っくり返ってるなんてみっともないわよ。悪いこと言わないから降参して。私はなにもあんた達を敵に回そうっていうんじゃないの。ただ単位が貰えるアンケート結果が手に入りさえすればいいの」
「そのやり方が気に喰わないって言ってるのよ!」
「きゃぁっ!」
 また悲鳴が轟いた。
 立ち上がった私が馬鹿女に体当たりを食らわせたのだ。
 今度は身長計ごと女が引っくり返ってキャビネットのガラスが割れた。
 もはや勝負の域を超えて殺し合いだった。
「あんたみたいな尻軽女が教師になったら迷惑なのっ。そんなに単位が欲しかったら別の学校に行って。お爺様が作られた学園を壊さないでっ!」
「そっちこそ理事長の孫娘だからって調子に乗るんじゃないわよ。男の子達の人気を奪われて悔しいの? 悔しいんでしょう!?」
 床に転がった馬鹿大生に馬乗りになり、私はその両腕をがっちりと押さえ込んだ。
 そして自慢のバストで顔面を塞ごうと試みる。
 けれど相手ものたうち回ってそれを許さない。
 ローティーンのEカップと女子大生のFカップとが重なり合い、また互いに潰し合う格好になった。
「小学生の巨乳って張り具合満点でしょ? あんたの呼吸なんか一瞬で止められるわよ」
「やれるもんならやってみなさいよ」
 ぺちゃんこに乳房を圧縮されながら、馬鹿大生は私を睨み続けた。
 殺意が宿る瞳の向こうに苦悶の表情が見え隠れする。全体重をバストにのし掛けられて苦しいのだ。
 ただ、その体勢は私にとっても諸刃の剣だった。
 柔らかく柔軟性がある馬鹿大生のふくらみに対し、私の乳房は硬く張っていて融通が利かない。作用には強いけど反作用には弱いのだ。
 なによりも二次性徴のデリケートさは馬鹿大生と比べるべくもない。ぐりぐりと圧迫するたびに、シコリをつままれたような鈍痛が跳ね返ってくる。
「かわいい顔が歪んでるわ。痛いのはお嬢様の方なんじゃないの?」
「そんなことないっ」
「だったらさっさとカウント取ってみなさいよ。ほら……悠長にやってると乳首が擦り切れるわよ」
 おっぱいレスリングは自分に分があると確信したのか、馬鹿大生が自ら乳首と乳輪を擦り合わせてきた。こりこりに突起した乳首どうしがぶつかり合い、私のなかで電流が駆け巡る。
 不覚にもレズ対決で感じてしまったのだ。
 馬鹿大生を掴んでいた手が思わず緩んだ。
「経験値が違うのよ!」
「きゃっ」
 再びの悲鳴。
 一瞬の隙を突いて起き上がった馬鹿大生が、こんどは私を下に組み敷いた。
 クラスメート達が見守るなかで馬乗りにされ、形勢が逆転する。
 けれど私は転倒しながらも瞬間的な閃きを働かせて腹這いになった。ちょうど柔道で寝技を防御するあの姿勢だ。
「往生際が悪いわね。諦めてスリーカウントされれば楽になれるのに」
「誰があんたなんかに……! 刺し違えてでも負けないっ」
「そのプライドだけは認めてあげる。でもね、この体勢でいつまで意地を張ってられるかしら? お嬢様自慢の巨乳は張り具合満点なんでしょう? 床に押しつけられてると辛いわよ。ほら……ほら」
 まるで木馬にまたがった女王様のように、馬鹿大生が私の背中を鞍代わりにする。
 リノリウムに押しつけられたおっぱいが悲鳴を上げた。背中に乗られた息苦しさよりも強く、ふくらみを潰される激痛が襲ってくるのだ。
「やめて!」
「聖羅様!」
 真理奈達が駆け寄ってこようとした。
 馬鹿大生が憤怒の形相でそれを睨み返した。
「来るんじゃないわよっ!」
「……」
「元はと言えばあんた達が挑んできたんでしょうっ!? それをいまさら止めるなんて何様のつもり? 調子に乗るのもいい加減にして! これは私とこのガキパイとの一騎打ちなのっ。ブラのブの字も知らないぺちゃパイは引っ込んでて!」
「……」
 保健室中が静まり返った。
 隼人くんと悟くんは、教室に帰ることも忘れて立ち竦んでいる。
「それとも負けを認めてお嬢様を救い出す? 全員、その場で鎌首並べて謝るんなら考えないこともないわよ。ただしみんなで土下座してね、この度は貧乳の乱を起こして申し訳ございませんでしたって」
「だ、ダメ……こんな女なんかに頭下げたりしちゃ……」
 私はうめいた。時間を経るごとにEカップを襲う痛みが強くなってきている。
「さぁ、謝るの? 謝らないの?」
 馬鹿大生が私にまたがったままくるりと向きを変え、下半身側に体を向けた。そして後ろ手に自由を奪った手をがっちりと握り、メジャーでぐるぐる巻きにする。
 それはもはや寝技を防ぐ体勢などではなく、誘拐犯に監禁された人質のそれだった。
「あんた達が尊敬するお嬢様なんでしょう? 助けてあげたら英雄になれるわよ」
 ピシャンっ! と馬鹿大生が私のお尻をたたく。肉づき始めたそれが小さく波打った。
「謝っちゃダメ」
「あんたは黙ってて」
 バシンっ、とさっきよりも強くスパンキングされる。自由を奪われ馬乗りにされ、乙女のプライドが悔しいくらいに蹂躙された。
 ――どうする?
 ――謝った方がいい?
 ――駄目だよ。聖羅様が決着をつけるって仰ってるんですもの。
 ――でもこのままじゃ聖羅様が……。
 そんなささやきすら聞こえてきそうな親友達の表情だった。
 馬鹿大生が鼻で笑った。
「あんたも薄情な友達を持ったものね。誰ひとり助ける気がないじゃない。……いいわ。そういうことなら勝負を続けてあげる。身の程も弁えず大人に喰って掛かると、どんな返り討ちに遭うか思い知らせてあげるわ。……これって確か、お嬢様がお小遣いを奮発して買ったショーツだったわよね?」
 馬鹿大生がお気に入りのパンティを掴んだ。
 そしてなんのためらいもなくずり下ろしていき、まるでレイプするみたいに引き裂いた。ビリビリと音を立てる下着に、私の自尊心が木っ端微塵に砕ける。
「やめて……お願い」
「お金持ちなんだからまた買えばいいじゃない。なに暴れてるの」
「見ないでっ。手を放して!」
「ふふ。お嬢様はおっぱいだけじゃなくお尻もきれいなのね。ガキのクセに巨乳でスタイル抜群なんて許せないわ。懲らしめてあげる」
 ピシャンっ! バチンっ! バシンっ!
 容赦ない平手打ちが桃肉を往復した。
 組み敷かれたままの私は必死に足をバタつかせ、馬鹿女の懲罰に抵抗するしかない。
 けれど親友達の前で裸にされ、これ以上ないくらい醜態をさらされることは、自尊心の高い私にとっては耐え難い苦痛だった。
 おっぱいを貫く激痛とプライドを踏み躙られる屈辱。それらと負けを認める悔しさとを天秤に掛け、私は……私は――。
(悔しいけど……この女を学園から葬れない)
 降参の二文字が脳裏を過った。
 その時だった――。
「絶対に謝らない! 土下座だってしない!」
 真理奈達が叫んだのである。
 それも、戦闘態勢を整えながら。
 賄賂で密約を取り付ける狡猾女との勝負は、まだ終焉を迎えてはいなかった。


                     『乙女のプライド』最終章へ続く。

 ───────────────────────────────────────  ■題名 : Re(1):乙女のプライド〜第三章〜  ■名前 : かさな  ■日付 : 11/10/23(日) 3:39  -------------------------------------------------------------------------
   GJ!

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