Page 1592 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼シスコンゲ−ム ブラコンゲ−ム2 ミミック 09/5/30(土) 17:50 ─────────────────────────────────────── ■題名 : シスコンゲ−ム ブラコンゲ−ム2 ■名前 : ミミック ■日付 : 09/5/30(土) 17:50 -------------------------------------------------------------------------
真理絵が部屋に消えた跡、ワタルも自分に部屋に戻った。 (姉さんに謝らなきゃ。) 真理絵の部屋をノックしたが、反応はない。 (寝てしまったか。明日にするか。) ベッドに入ってもなかなか寝つけない。外は一層雨が激しくなってきている。 「・・・ちゃん、ワタルちゃん。」 真理絵が呼ぶ声に、ワタルは意識を取り戻した。 「姉さん?」 ドアを開けると、真理絵がぬいぐるみを抱きながら震えている。 「入っていい?」 「ああ。」 真理絵を落ち着かせる事が先決だ。真理絵をベッドに座らせると、冷蔵庫から冷水を持ってきた。 「あ、ありがと・・」 2人はしばらく沈黙を保ったままだったが、ワタルはさっきの事を解決するチャンスだと沈黙を破った。 「さっきはゴメン・・・」 「ん?何が?」 「姉さんの胸・・・」 「ああ、あれは私のほうが、ね。気にしてたの?」 「うん・・・」 「もう気にしなくていいからね。ねぇ、お願いがあるんだけど・・・いい?」 「何?」 「・・・・・・あのね、・・・一緒に寝てほしいの。雷・・・怖くて・・・」 さっき真理絵が震えていた理由がわかったワタルは快く引き受けた。 ワタルと真理絵は今1つのベッドにいる。だがお互いに背中合わせだ。 「ワタルちゃん。」 真理絵の方から話しかける。 「何?」 「たくましくなったね。」 「何だよ突然・・・」 「本当よ。私がお風呂にいた時、懐中電灯持って駆けつけてくれたでしょ。昔はあんなんじゃなかった。私が困ってたって気にしなかったじゃない。裸見られたのは恥ずかしかったけど、なぜか安心できたの。今だってそう。雷が鳴ってもワタルちゃんがいてくれるから安心なの。」 ワタルの背中に真理絵の背中が触れている。それだけじゃない。真理絵が背中に頭を寄せている。 (姉さん?) 「お姉ちゃんお姉ちゃんていつも私の後ついてきてた。甘えっ子でイタズラっ子だったワタルちゃん。それが今では、こんなにたくましくなって・・・」 「何だよ母さんみたいな・・・」 と言って振り向いた時、轟音と強烈な光が2人に飛び込んで来た! 「キャ−!」 音と光が治まった後、ワタルは真理絵を抱きしめていた。 慌てて渉は腕をほどこうとしたが、真理絵がそれを制止した。 「しばらくこのままでいて・・・」 真理絵の歯がカタカタ鳴っているのがわかる。 「私、包まれてる・・・」 ワタルが真理絵を抱いている姿は、まるで大人が子供を抱いている姿そっくりだった。 「姉さん、子供みたいだよ。」 「だって・・・怖かったんだもん・・・雷・・・」 真理絵を抱きしめたワタルは真理絵の鼓動に気づいた。 ワタルは咄嗟に真理絵を放した。 「えっ?どうして・・・」 ワタルはそのまま背を向けた。 「姉さんの…当たる…」 「ワタルちゃん。」 真理絵はワタルに抱きついた。 「姉さん!?」 「イヤ…やめて姉さんなんて。昔みたいにお姉ちゃんて言って。」 「お姉・・・ちゃん・・・」 「ワタルちゃんに抱き締められた時、私の胸凄くドキドキした。今もしてるのわかるでしょ?」 「うん・・・」 「心臓が飛び出しそう。ハァ・・・ハァ・・・私、もうダメ、我慢できない。」 真理絵がワタルの頭を抱き締めた。真理絵の心臓がワタルの耳に当たる形だ。 「姉さん!?」 「ダ−メ。お姉ちゃんて言わなきゃ。」 真理絵がワタルの鼻をつついた。 |