Page 533 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼怪我の功名 前編 mokkori-hyoutanjima 04/11/6(土) 14:12 ┣Re(1):怪我の功名 前編 mokkori-hyoutanjima 04/11/6(土) 14:15 ┗Re(1):怪我の功名 前編 kiki 04/11/6(土) 22:51 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 怪我の功名 前編 ■名前 : mokkori-hyoutanjima ■日付 : 04/11/6(土) 14:12 -------------------------------------------------------------------------
僕は進学校と言われる学校に通う高校3年生だ。 県内でも進学率はトップで、毎年何人もの生徒を有名大学に送り込んでいる。 だがどんな進学校でも授業や雰囲気についていけず、挫折し、落ちぶれる生徒もいる。 それが、僕だ。 つまらなさを感じたのは1年の3学期だ。 先生達はやたらと受験を意識し始め、日に日に課題の量は増えていった。 僕は1番の遅れをとった。 中学の頃成績が良かったと言って、偏差値で学校を選んだことを後悔した。 毎日が苦しく、学校に行こうなんて思えなくなったのが事実だ。 じゃあ何で学校に通いつづけたのか。僕にだってよく理解できない。 ただひとつ、心当たりがあるとすれば・・・・・夕菜ちゃんだ。 萩原夕菜、3年間同じクラスの女の子だ。 夕菜ちゃんは学校で3本の指に入る成績優秀者だ。さらに、 「自分から勉強を取ったら何も残らなくなるのはイヤ」 という考えを持っていてバレー部に所属し、キャプテンを務め、チームをインターハイまで導いた。 そんな夕菜ちゃんに僕は尊敬の念を持っていたのかも知れない。 何より夕菜ちゃんは雑誌に載るようなモデルなんかよりも可愛かったし、スタイルも良かった。 夏場は白い制服にうっすらとブラが浮かび上がり、少しかがむと胸元がチラチラと見えた。 細過ぎず、太過ぎずのスカートから覗くあの脚もすごく綺麗だった。 会話なんてしたことなかったが、夕菜ちゃんを見るのが唯一の癒しだった。幸せだった。 僕は下心だけで3年間学校に通ったと言っても過言では無い気がする。 ある日の下校中、僕はいつも通りの道を帰っていた。 いつものようにギリギリで渡れない信号に引っかかり、青になるのを待った。 僕の隣では、顔を動かしながら行き交う車の動きを眺める小学生がいた。 その時だった。 車間距離が長くなったのを見計らい、その小学生が道路に飛び出した。 信号は赤、僕の周りは真っ暗になった・・・・・。 −−−−−−−−−−−−−−−−− 「うう・・・んっ・・・・?」 病院だ。しかも病室である。母親が僕の顔を覗きこんで何やらわめいている。 父親と、医者っぽい男性、看護師の女性が駆け込んできた。 「慎一っ・・!お母さんよっ!分かる・・!?」 「慎一・・大丈夫か?何ともないか・・・!?」 母親と父親が興奮しながら僕に声をかけた。 ((えっと・・・小学生が飛び出して・・えっと・・・・分かんないや・・思い出せない)) 病院の先生が両親が騒ぎ立てる中、よく通る低い声で僕に話し掛けてきた。 「道路に飛び出した小学生をね、慎一くんが助けたんだよ。覚えてるかい?」 俺がそんなことしたのか、と正直自分を疑った。 「ど、道路に小学生が飛び出したのは覚えてます・・・でも俺が助けたなんて・・覚えがないです」 両親が看護師になだめられ、ようやく落ち着きを取り戻した。父親も母親も涙を流している。 トラックにひかれた僕は、奇跡的に両足を骨折しただけで済んだ。ただ全身をかなり強く打ったために、1週間も目を覚まさずにいたそうだ。しばらくは入院が必要らしい。 「それで・・・あの小学生は?」 「それがねぇ、かすり傷ひとつ無いんだよ。本当に君のおかげだ」 それからしばらく、僕は両親と話をした。僕が大丈夫だと言うと、元々ぶっきらぼうな性格だったので両親は「あらそう」と言うと家に帰る準備を始めた。 さっきの涙は何だったのだろう。少し僕は寂しい気もした。 僕が目を覚ました次の日、助けた小学生と、その両親が僕の病室を訪れた。 僕は自分が誇らしく思えた。あんなに感謝されたのは始めてだ。 入院をして3週間が経った。僕の両親は朝だけ顔を見せにくる程度だ。 その日の夕方、1人の女の子が病室にあらわれた。 「お見舞い、遅くなっちゃってごめんねぇ・・・」 夕菜ちゃんだった。僕はまた周りが真っ暗になった・・・・。 続く |
妄想小説に初めて挑んでみました。 ダラダラとハッキリしない文章になってしまい申し訳無いです。。 中編、後編と続く予定です。 もしよろしければ感想、指摘をお願いします^^ |
すごいワクワクしますo(^-^)o 期待してますので 続きのほうよろしくおねがいします! |