Page 480 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼紅葉の季節、密かな思い出〜前編〜 Angel Heart 04/9/28(火) 0:07 ┗紅葉の季節、密かな思い出〜前編〜 Angel Heart 04/9/28(火) 0:09 ─────────────────────────────────────── ■題名 : 紅葉の季節、密かな思い出〜前編〜 ■名前 : Angel Heart ■日付 : 04/9/28(火) 0:07 -------------------------------------------------------------------------
記録的に続いたあの異常な夏の日が終わると、季節はいつの間にか木の葉が色づくそれへと変わっていた。蒸し暑さに寝返りをうった日々が嘘のように、今では鈴虫の羽音に耳を傾ける夜が続いている。街中を歩く女子高生達も夏服を脱ぎ捨て、長袖のブラウスにカーディガンを羽織るようになっていた。男からすれば楽しみな季節がひとつ過ぎ去って寂しい限りだけれど、また来年も……と思えばこそ前向きに生きていけるのだった。 ……夏が終わり、秋が訪れたその日。 僕は運動着に身を包んで広い校庭を駆け回っていた。身につけているTシャツにはクラスメート全員の名前がプリントされ、担任の似顔絵までが描かれている。普段なら恥ずかしくて一瞬でも着られないのだけれど、今日は特別だから着ているのだった。 ――体育祭なのだ。 一年に一度、全学年が“優勝”という栄誉を目指して三日間戦い続ける日。校庭や体育館には歓声と声援がこだまし、各クラスが男女の壁を越えてひとつにまとまっている。それを象徴するのが奇抜なデザインのクラスTシャツ、いわゆる“クラT”っていうやつだ。 どこのクラスでも全員がオリジナルのTシャツに身を包み、将来、過去を振り返った時によみがえるはずの思い出をつくろうとしている……。 もちろん、僕だって思い出に残る体育祭にしたい。それゆえ懸命にゴール目掛けて走っているのだ。高校生活最後の体育祭。この試合に勝てば決勝に進めるのだから。 「淳也!」 親友の琢磨が逆サイドから蹴り上げたボールを、僕は胸でトラップしてドリブルの体勢に入った。得点はお互い前半に入れた1点だけ。すでに後半もロスタイムに突入していることを考えると、これが最後のシュートチャンスかも知れなかった。 「淳也くんがんばれぇっ!」 「シュート! シュートぉ!」 ピッチ――と言っても土埃が舞う校庭だけど――の外から、クラスメートの女の子たちが声援を送ってくれている。となればヤル気が湧いてくるのが男というもので、僕はジダンのようにフェイントをかけてDFをすり抜けようとした。 が、声援を受けているのは相手も同じ。後輩だからって遠慮するということもなく、カッコつけてスライディングしてくるやつがいたのだ。 ズザァァァァァッッ! 「あっ!?」 と思う暇もなく、僕の視界のなかで天地がひっくり返った。ジダンでもベッカムでもフィーゴでもなかった僕は、華麗に避けるどころか無様に転倒したのだ。 ピピィィ――ッッ! 鈍痛を右腕に感じながらホイッスルを聞いた。試合の流れが止まる。駆け寄ってきた琢磨に助け起こされるとすぐ、スライディングしてきた後輩が申し訳なさそうに頭を下げた。 「す、すいません、先輩」 「いいよ、気にするなって」 不可抗力さ、と付け足して右腕を見ると、擦りむけて血が滲み出ていた。クラTも土がついて汚れている。 「大丈夫か?」 琢磨が言った。 「ああ。なんでもないよ、こんなかすり傷」 「それならOK。――って言うか、おかげでPKがゲットできたぜ、サンキュー」 満足そうに微笑んで親指を立てる琢磨。他のチームメイトたちも勝利を確信して顔が綻んでいる。そしてそれと正反対の表情を湛えるのは相手チームだ。 「PKっス」 主審役のサッカー部員がそう呟き、ボールを手に取った。 それを自然と受け取ったのは琢磨だった。なんだか一番オイシイ役目を持って行かれて悔しいけれど、まぁ仕方ないだろう。なにせコイツは帰宅部のクセに運動神経は学校一なのだ。僕が蹴るよりよっぽど期待できる。 「決勝進出頂き」 と言って、琢磨は受け取ったボールをペナルティエリアの一角に置いた。そのとき神に祈るようにボールにキスするところが気障な琢磨らしい。しかもそれが似合っているから嫌になる(笑) 「絶対ゴール決めてよっ!」 「がんばれぇ!」 黄色い声援が一層黄色さを増す。 琢磨はそれに軽く手を挙げて応えると、助走のための距離を取った。 キーパーと琢磨の無言の駆け引きが始まる。 ピッ! 主審役のサッカー部員が短くホイッスルを鳴らした。 しんと静まり返る校庭。 ――そして。 琢磨が助走を始めた二秒後、校庭に僕たちの歓声が響き渡った。 「痛ててて」 試合が終わるとすぐ、僕は擦り傷を手当てするため保健室に向かった。べつに大した怪我ではないけれど、一応、消毒してカットバンぐらい貼っておくのが常識って言うものだからだ。琢磨たちは女子バレーを応援するため体育館に向かっていた。 ――ガラっ。 無造作にドアを開ける。保健室特有のあの薬くさい空気が鼻をついた。リノリウム張りの床にカーテンで仕切られたベッドが二つ。いかにも事務っぽい棚にはファイルやら何やらが雑然と並べられ、壁には様々な予防ポスターが貼り付けられている。ぽつん、と一脚だけ置かれた机は、保健室登校する生徒のためだろうか。 「あれ?」 だがそんなどこにでもある保健室に入った僕は、一番肝心なものがない事に気がついた。 先生がいないのだ。いつもならあの定年間近のオバチャンが優しそうな表情で椅子に座っているのに……。 「…………」 席を外しているのかな、と考えた僕は、そこでふと今日のホームルームを思い出した。 (そっか。校庭の体育祭本部か) 体育祭には怪我がつきものだから、期間中、保健のオバチャンは本部テントで24時間の臨戦態勢に入っている、だから怪我をしたらまず本部に行って診てもらえ、と。それを僕は失念していたのだ(ちなみに各試合の勝敗結果も本部で集約され、校内各所に設けられた掲示板に速報で張り出される) 無駄足だったな、と舌打ちして踵を返したその時。 「う……うん」 くぐもった声がベッドの方から聞こえた。人の気配をそこで初めて感じた。 無意識のうちに関心を惹かれた僕は、そっとカーテンを開けてなかを覗いた。そしてそこに広がる光景を目の当たりにして思わず息を呑んでしまった。 彩可ちゃんが眠っていたのだ。 彩可ちゃんは同じ3年D組のクラスメート。もっと正確に言えば同じ中学校の出身にあたる。中学時代はおとなしくてあまり目立たないコだったけれど、高校生になった途端、その印象ががらりと変わって男子連中の注目を集めるようになっていた。 ぶっちゃけて言えば“超→可愛い”女のコに変身したのだ。 相変わらず小柄なんだけど、それが妹系のイメージを煽ってなんだか守ってあげたくなる。髪はセミロングで控えめな茶髪。誰にでも気さくに話し掛けてくるから、なかには勘違いする野郎も出てくる。つまり“俺のことが好きなんだな”と早合点して、彼女に“告って”見事に“散る”やつが多いのだ(僕もそのひとりだけど)。彼女には琢磨っていう立派な彼氏がいるのに……。 けれど彩可ちゃんが男子連中の注目を集めるのは、彼女が“キュートだから”という以外にも理由があった。 おっぱいが大きいのだ。 噂ではEカップかFカップあるらしい。 と言ってもブラジャーのカップサイズに明るくない僕は、EやFというアルファベットをセンチメートルに換算できない。でも彩可ちゃんが巨乳であることは疑っていなかった。なぜって一目瞭然だから。彩可ちゃんの“胸チラ”や“揺れ乳”にお世話になったことが何度あるだろう。 そんなクリーム系のキュートな彩可ちゃんが今、僕の目の前で眠っている。きっと体調を崩したのだ。寝相よく仰向けになり、安らかな寝息を立てている。彩可ちゃんが呼吸するたびに布団が小さく上下するのが分かった。 (彩可ちゃん……) 誰もいない保健室で、片想いの女の子が、親友の彼女であるがゆえに手を出してはいけない女の子が眠っている。 僕のなかで天秤が揺れた。天使と悪魔とが交互に囁く。 “今ならなにしたってバレないぜ。” “ダメだ。そんな事しちゃいけない!” 道徳と背徳の狭間で僕は葛藤した。確かに彩可ちゃんが熟睡している今なら、どんな悪戯をしたって気がつかないだろう。ひょっとしたら巨乳を触れる絶好の機会かも知れない。それどころか服を脱がすこともできるだろう。 でもやっぱりそれは出来ない。万が一……万が一にでもバレたら僕は彩可ちゃんに嫌われる。琢磨には間違いなく殺されるだろう。そうなったら学校を辞めなくちゃいけない。ここは布団を掛け直してあげるだけで立ち去ろう(……いや、でもこんな機会は滅多に無いから……ちょっとだけならきっとバレないから……) 「…………」 どきどきと心臓が高鳴り、僕は動けなかった。妙な興奮で気分が高揚している。かぁっと頭が熱くなった。眠っている女の子に悪戯するかどうか悩んでいる――たったそれだけで僕は勃起していた。 “正直になれよ。悪戯したいんだろ?” ふと天秤が傾いた。理性よりも欲望が重かった。妄想を……現実にしたい。 「ごくん」 生唾を呑み込むと、僕はそっと彩可ちゃんの髪に顔を近づけた。やわらかなセミロングからシャンプーの香りが漂い、思わず恍惚とする。まるで麻薬だった。 でも彩可ちゃんは目覚める気配が無い。すぅすぅと寝息を立てるたびに、彼女の吐息が僕の肌を撫でる。きれいな桜色の唇。子供のように張りのある艶やかな頬。こんなに間近で彩可ちゃんを見るのは初めてだった。 ――チュ。 僕は思い切って彼女に唇を重ねた。勝手に唇を奪った罪悪感がさらに興奮を煽る。果てしなく硬直したペニスを収納しておくのはもう無理だった。 「み、見てよ彩可ちゃん……彩可ちゃんの寝顔で、僕のチ○ポがこんなに……」 運動着のズボンをトランクスごとおろすと、僕はお腹まで反り返ったペニスを彼女に見せつけた。そうして、竿の部分を摘んで顔射のような体勢を取る。ちょうど股間の高さに枕があるから、真っ赤に充血した亀頭が彩可ちゃんに向けて差し出される。もし彼女が起きていたら、悲鳴を上げて顔をそむけるに違いなかった。 でも今は、彼女は夢のなかにあった。青臭いペニスを眼前に突き出されても寝息を立てるだけだ。生温かい吐息を亀頭に感じて、僕はますます図に乗った。 「彩可ちゃん……僕のチ○ポ舐めて」 MAXに硬直したペニスを彩可ちゃんの口元にあてがう。擬似フェラのつもりだった。まさかムリヤリ口のなかに捻じ込むわけにもいかないから、その可憐な唇にペニスをあててキスしてもらおうと思ったのだ。 ところがユメウツツのなかにある彼女は、僕のペニスをなんだと思ったのか、不意に滑らかな舌を伸ばして敏感な先っぽを舐めたのだ。くすぐったい感覚が全身を駆け巡る。フェラチオというものを期せずしてしてもらった。 「ぅあ……きもちぃぃ!」 そのままイラマチオしたい欲求を抑えるのが大変だった。こんなかわいいコに舐めてもらっている琢磨に、僕は心底から嫉妬する。彩可ちゃんに先っぽをぺろぺろされながら射精できたら、一体どれぐらいスペルマが飛び散るのだろう。 僕はそのヌルヌル(ザラザラ?)した舌の感触を堪能するように、暫く彼女の口元にペニスをあてがっていた。眠っている彩可ちゃんは相変わらずユメウツツのなかで、時折なにかと勘違いして亀頭を舐めてくれる。このまま思いっきりスペルマを顔にぶちまけても本望だった。 でも僕には、もっと関心のあるパーツがあった。 ――そう。一度でいいから彩可ちゃんの巨乳にお目にかかりたいのだ。 誰もいない保健室のなかで、眠っている大好きな女の子の前で下半身を露出しながら、僕はそっと布団に手をかけた。そしてそれを捲って豊かなふくらみに触れる……たったそれだけで僕の願望は叶うのだ。 ――後編へ続く |
前作『同級生乳戯』を超えるネタが浮かばない今日この頃、“保健室シリーズ”第二弾です。例によってすでに書き上がっていますので、お望みのようならば後編を明日にでもアップ致します。 ――テーマは“悪戯”。こんなシチュエーションも男の夢かと……。 戯れに紡いだ物語ですが、楽しかった高校時代にタイムスリップして頂けるとありがたいです(あ……でも現実にはこんなことしないで下さいね。妄想と活字だけで満足しましょう) ※この物語は妄想を活字化したものですので、登場人物や団体名は現実のそれとは全く関 係ありません。 |