Page 272 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 通常モードに戻る ┃ INDEX ┃ ≪前へ │ 次へ≫ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼クリスマスに願いを。 Angel Heart 03/12/20(土) 5:36 ┣X'mas tale Angel Heart 03/12/20(土) 5:44 ┣Re(1):クリスマスに願いを。 シークレット ガール 03/12/20(土) 9:33 ┃ ┗Re(2) Angel Heart 03/12/22(月) 15:04 ┗Re(1):クリスマスに願いを。 Beck 03/12/22(月) 1:51 ┗Re(2) Angel Heart 03/12/22(月) 15:16 ┗Re(1):Re(2) Beck 03/12/25(木) 3:20 ─────────────────────────────────────── ■題名 : クリスマスに願いを。 ■名前 : Angel Heart ■日付 : 03/12/20(土) 5:36 -------------------------------------------------------------------------
一年の中で、もっとも清らかで聖なる夜が近づいたその日。ボクは美術の課題を描き上げるため、ひとり体育館脇の石段に腰掛けてカンバスに向かっていた。 目の前の校庭では、体育の授業に臨む先輩たちが、Jリーガーになったつもりでボールを追いかけている。向こうで鬼ごっこしているのは、美術に飽きたクラスメートたちだろう。遠く、四階の音楽室から聞こえてくるのは、伴奏に合わせた合唱の声だった。 「ハァ……」 すっかり小さくなった消しゴムを取り出すと、ボクは小さくため息をついた。カンバスの画用紙には、まだ木の一本も描かれてはいないのだ。美術が苦手なボクにとって、絵を描くことは何よりも苦痛だった。描いては消し、消しては描く作業を、もう三週間も繰り返していた。 「……構図が難しいんじゃないか?」 「えっ?」 不意に声を掛けられ、ボクは驚いて振り向いた。見れば、美術の相田先生が腕組をしながら立っている。二十代後半の若い先生だ。一体、いつの間にやって来たのだろう? 「構図が難しいんだよ、きっと。絵が苦手なら欲張っちゃダメだ。校庭の風景なんか描こうと思わないで、もっと単純な風景を描くといい」 「でも……」 言い返そうとしたボクを、相田先生が首を横に振って制止する。 「肝心なのは姿勢さ。立派な構図を描くことじゃない。例えへたくそな絵でも、見れば真剣に取り組んだかどうかが分かる」 「そうなんですか?」 ボクの問いに、ああ、と先生が呟いた。 「向こうで遊んでるヤツらの絵がミケランジェロ並でも、先生は悩んで描き上げた君の絵を高く評価するさ。こんな所で頭を抱えてないで、もっと適当な場所を探したらどうだ?」 「…………」 見れば鬼ごっこがいつの間にか雪合戦になっていた。みんな楽しそうだ。 「そうですね……そうしてみます」 小さく頷くと、ボクは石段から立ち上がった。 ――それから20分後……。 ボクは体育館裏の片隅に座り、ポツンと建つ寂れた物置を描いていた。日当たりの悪いその場所は、ジメジメしたコケのような匂いが漂い、明らかに空気が澱んでいた。赤茶けた錆に覆われているのは、その物置がもう何年も放置されている証だった。 (……これなら何とかなりそうだな) 決して巧いとは言えないけど、筆は思いのほか進んでいた。ボクはなんとなく描き上げられそうな気がした。 ――と。 「キャハハハハッ」 突然、笑い声が聞こえてきた。本能的に振り向いたボクは、そこがどこか思い出してドキっとした。壁の向こうは女子更衣室だったのだ。たぶん、体育の授業を終えた先輩たちが、着替えのために入って来たのだろう。 「…………」 ボクは思わず身を潜めてしまった。耳をそばだてると、楽しげな話し声が微かに聞こえてくる。授業のこと、メールのこと、彼氏のこと……。秒単位で人の気配が増えていった。 「…………」 見たい。そう思った。魔が差すのが自分でも分かった。 ボクは早鐘をうつ鼓動を感じながら、傍らの雨樋にそっと手を掛けた。そして、気づかれないように上ってゆくと、わずかに開いた窓からこっそり中を覗いたのだった。 「わ……(・///・)」 その光景が視界に飛び込んできた途端、ボクは思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。十数人の先輩たちが、ロッカーの前で着替え始めていたのだ。目の前にはブラ、ブラ、ジャージ、おっぱい、制服、パンツ、ルーズソックス……どこを見ても裸だらけだった。 「ご、ごくん……」 ボクは興奮した。気がつくとオチンチンがぴんと勃っていた。女の子の裸を見ると自然とこうなるのだ。理由は分からない。でもこれは誰にも言えない秘密だった。 「…………」 ふと見ると、部活の先輩がジャージを脱いでいた。大人顔負けのおっぱいが、ブラジャーごとポろんとまろび出る。大きくてとてもやわらかそうだった。 「…………(・///・)」 このまま更衣室に潜り込みたい。潜り込んでお姉さんたちに悪戯されたい……。 そう考えた途端、 バキッ! 「ぅわゎぁっ!!」 不意に雨樋が折れた。ボクは勢いよく地面に叩きつけられた。 「誰ぇっ!?」 更衣室から叫び声が聞こえた。同時に悲鳴がこだました。 (ヤばいぃぃっっ!!!) ボクはダッシュで逃げ出した。画用紙を持ち去る暇はなかった。 ガラガラと窓が開く音がする。でも振り向けなかった。振り向けば顔バレしてしまうから。向こうまで逃げよう。そう決めた。――大丈夫。きっと見つからない……! そして体育館の角を曲がったとき、ボクの視界に人影が飛び込んできた。 (わぁっ!) 止まろうとしたが遅かった。どしんっ、と勢いよく衝突し、ボクはそのまま地面に倒れこんでしまった。 それっきり、ボクは意識を失ってしまったのだった……。 ……気がつくと、ボクは見知らぬ部屋で横になっていた。 そこは十畳ぐらいの広さで、クローゼットと化粧台、そしてナイトスタンドだけが備えられていた。シンプルで面白くもなんともない部屋だったけれど、不思議と居心地が良くて落ち着くのだった。たぶん、ここは寝室なのだろう。 (……寝室?) そう思い直してボクは眉をひそめた。 ――そうだ。ボクが意識を取り戻したのは病院のベッドだったはずだ。目の前には看護婦さんやお医者さんたちがいて、色々とボクに説明をしてくれたのだ。学校で誰かとぶつかって気を失い、そのまま搬送されて来たと。検査は終わったけれど、暫く様子を見る必要があるからゆっくり休みなさいと。――確か、そんなことを言っていた。 ……すると、ここも病院? (――痛……っ) 唐突に走った頭痛にボクは頭を抱えた。ダメだ、詳しく思い出そうとすると頭が痛い。 「あら……起きてたの?」 がちゃ、と部屋のドアが開いてひとりの女性が入ってきた。ニットのセーターにフリンジのスカートをはいたその女性は、見るからに優しそうなお姉さんだった。たぶん、年齢は女子大生ぐらい。ボクが病院で目覚めた時も、お姉さんがいたような気がする。 「…………」 ボクはどう返答していいか分からなかった。状況が理解できないのだ。お姉さんは一体誰? ボクはどうしてここにいるの? 「具合はどう?」 と、ベッドで横になっているボクを覗き込むように、お姉さんがそう尋ねてくる。香水なのかシャンプーなのか、とてもいい匂いがした。可憐な手で頭を撫でられると、不思議と心地よい感じがしたのだった。 「うん……平気」 ボクは言った。お姉さんが癒すような笑みを浮かべる。ボクは、この人なら信頼できると確信した。 「ねえ、お姉ちゃん」 「なぁに?」 「どうしてボクはここにいるの? お姉ちゃんは誰なの?」 「…………」 ボクの質問に、しかしお姉さんは答えなかった。答える代わりに、一瞬だけ悲しそうな顔をした。ボクは、何かヘンな質問でもしてしまったのだろうか。 暫く沈黙が続いた。やがて、「大丈夫よ。なんにも心配しないで」とだけ言い、お姉さんはクローゼットに向かったのだった。 「…………」 ボクに背中を向ける格好で、お姉さんが服を脱ぎ始める。ボクはその様子をじっと見守っていた。ドキドキして、頭がボーっとした。タイツ越しに見えるパンツが刺激的だった。お姉さんのおっぱいは大きいように思えた。オチンチンがすぐに硬くなった。 「ねえ、お姉ちゃん……」 「うん?」 「もうひとつ、質問してもいい?」 「いいわよ。何かしら?」 相変わらずボクに背を向けた格好で、お姉さんが言う。ボクは覚悟を決めると、信頼できるそのお姉さんに秘密を打ち明けたのだった。 「ボク、女の人の裸を見るとオチンチンが硬くなっちゃうんだ。これって病気なの?」 「…………」 お姉さんの手がふと止まった。また、ボクはヘンな質問をしてしまったのだろうか。 しかし今度は反応が異なっていた。着替える手を止めると、お姉さんはそっと近寄ってきてボクの枕元に座ったのだ。ボクを見つめる瞳は慈愛にあふれていた。聖母のような笑顔にボクは安らぎを感じた。 「そっか……女の人の裸を見ると、オチンチンがおっきくなっちゃうんだ」 「うん」 「フフ……でもそれは病気じゃないのよ。勃起って言うの。男の子ならみんなそうなるんだから」 「そうなの?」 「そうよ。――あ。もしかして、今もそうなっちゃってるの?」 「うん……お姉ちゃんのパンツが見えたから……」 相手が普通の女性なら言えない言葉だった。でも、このお姉さんなら何でも許してくれる気がした。事実、着替えを見つめていたと話しても、お姉さんはまったく怒らなかった。それどころか、お姉さんはこう囁いたのだった。 「オチンチン、お姉さんに見せてくれる?」 「えぇっ……そんなの恥ずかしいよ」 「大丈夫。誰も見てないんだから……ね?」 「…………」 悪戯っぽい瞳にじっと見つめられ、ボクの羞恥心は魔法のように消えていった。布団を捲ると、ボクは見られる快感に身を委ねながらその場でズボンを脱いだ。ブリーフをおろすとすぐ、お腹までそりかえったそれがご披露になったのだった。 「……立派立派(笑)」 そう言って、お姉さんがおおむろにオチンチンを撫で始める。電流が迸るようなくすぐったさが全身を駆け巡った。お姉さんに総てを委ねようと、ボクはそう決心した。 「きもちいい?」 「う……っうんっ」 「それじゃ、これはどう? これもきもちいいの?」 「――っぁあ!」 指で輪をつくり、お姉さんがゆっくりとオチンチンを擦り始める。あまりの心地よさにボクは呻いてしまった。身を捩るとおっぱいが顔に当たる。ボクはお姉さんのおっぱいに顔を埋め、狂いそうな快感に必死で悶えていた。 「我慢しなくていいのよ。お姉さんが見ててあげるから、たくさん出して」 「――っっっ!!」 オチンチンを擦られて何秒後だろう。おっぱいのやわらかさを頬に感じながら、ボクはあっけなくその瞬間を迎えてしまった。快感がピークに達したかと思うと、果てしない気持ちよさが下半身から全身に駆け巡ったのだ。ぴゅっ……ぴゅぴゅっと、勢いよく何かが飛び出し、お姉さんの手とボクのおヘソをぬらした。気がつくと、お姉さんが満足そうな笑みを浮かべてボクを見下ろしていたのだった。 「フフフ……いっぱい出しちゃったわね。そんなに気持ちよかったの?」 「…………」 そしてボクが無言で頷いたとき、ふと電話のベルが鳴った。 『もしもし……奥さんですか? 帝國病院の春日です』 『あら、春日先生。どうしたんですか?』 『ええ……その後の経過がちょっと気になりまして。どうです、ご主人のご様子は?』 『それが、相変わらずなんです。まだ私が誰かも分からないみたいで……』 『そうですか……。暮らし慣れた環境に身を置けば、ちょっとは回復が早まるかと思ったんですが、こちらの間違いでしたかねぇ』 『……そんなことはありません。先生には感謝しています。きっと、この生活を続けていけば、もとの主人に戻ってくれるはずです。私、そう信じていますから』 『……分かりました。では、もう暫くこのまま様子を見てみましょう。今日はクリスマスですし、ひょっとしたら奇跡が起こるかもしれないですからね』 『…………』 『それにしても不思議としか言いようがないですなぁ。ぶつかっただけで、13歳の男子生徒と人格が入れ替わってしまうんですから……あ、これは失礼。奥さんには酷でしたね』 『いえ、平気です。私もクリスマスの奇跡を信じていますから。12月25日は、私が主人と入籍した日なんです。今日が相田早苗になった記念の日なんです。きっと、神様が奇跡をおこしてくれるはずです。主人が少年から美術教師に戻ってくれるはずなんです……』 <Story Designed by Angel Heart> |
……久々の投稿で、すっかり文章レベルが鈍っているAngel Heartです。 今回はストーリー重視で書きましたので、Hシーンはちょっと物足りないかもしれません(しかも長編) 再び創作意欲が湧けば、次回は巨乳でエロエロな物語を書きたいと思っておりますのでご容赦ください<(_ _)> 哀れなAngel HeartにRESをくださると嬉しい限りです。 それでは、サンタクロースが皆さんに巨乳な夢をプレゼントしてくれる事を願って……。 |
▼Angel Heartさん: しっかり起承転結のある小説でびっくりしました。 楽しく読ませていただきました★ |
▼シークレット ガールさん: ご返答ありがとうございます<(_ _)> 「クリスマスの奇跡」と「驚き」で何か書けたら……と考えた末、こんなストーリーがふと思い浮かびました。構成がしっかしりしてしまったのは、最後のオチを無理なく表現するためですね。なのでHシーンは今一つの描写です。男性の方には不満かもしれませんが、(Hシーンに萌えない)女性の方は楽しめるでしょう……たぶん。 遥か彼方に下がっているスレッドに、Angel Heartの他作品がございますので、そちらにもレスをつけて頂けるとありがたいです。 |
本格的ですね〜。 最後のお姉さんに攻められてる描写がよかったです! 欲を言えば、パイズリがあれば…、なんて思いました(^^ゞ 素晴らしかったです! |
▼Beckさん: >本格的ですね〜。 ありがとうございます。Hシーンだけでなく、物語全体としても面白い作品が書ければと思ってますので。 >最後のお姉さんに攻められてる描写がよかったです! やっぱり「お姉さん」は萌えですよね(笑) 後学のために、Beckさん(と、これをお読みのお姉さん好きのみなさん)の萌える展開やシチュエーションを詳しく教えてください。出来たら次回作以降に反映させたいと思います……確約はできませんが。 >欲を言えば、パイズリがあれば…、なんて思いました(^^ゞ 現在、なんとか年内にアップできるように新作を書いている途中です。今までと若干趣向は異なりますが、それにはパイズリがちゃんと出てきますので。お待ちください。 >素晴らしかったです! 下がっているスレッドに他作品もあります。そちらにもレスを頂けるとありがたいです<(_ _)> |
Angel Heartさん、全体的にも見事でしたよ! そうですね、「お姉さん」は萌えです(笑)。 分かりました、具体的なシチュエーションを考えておきますね! Angel Heartさんの過去作品、見させていただきますね! 11作品もありましたので、楽しみです(^-^) 新作も期待しています! 頑張ってください(^_^)/~ |